2019年日本の牛舎
ドロドロした糞尿がたまり、ヌルヌルした床の上で、この肉にされる牛たちは飼育されています。彼らは短い紐で常時つながれており、この不衛生で不快な状況から逃れることはできません。
パッキングされてスーパーに小奇麗に並べられた肉からは想像もできない汚さです。「動く」という最低限の自由をうばわれ汚い施設に収容されたこの牛たちは、一時も心が休まることはないでしょう。
こういった飼育方法は動物愛護管理法に反します。
動物愛護管理法第七条にはつぎのように書かれています。
動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
しかし、このドロドロの牛舎が適正な飼養、動物の健康を保持することに努めている状態とはとても思えません。
このような劣悪な状況で飼育されている動物を見たら、ペットか畜産動物かにかかわらず、都道府県に通報し、指導を求めてください。畜産動物であっても愛護動物です。行政はきちんと対応してくれます。見てみぬふりをすることは虐待に加担してしまうのと同じことです。
この飼育場だけではありません。狭い場所に大量の糞をする動物をたくさん詰め込むというのが一般的な畜産のスタイルです。しかもそれを管理するのはほんの数名です。日本の肉牛農家一戸当たりの平均飼養頭数が約50頭。一頭当たりの一日の糞量が約25kg。肉牛経営の従事者は一戸当たり平均2人。
衛生的な状況を保つというのは物理的に困難なのです。
牛たちが汚い場所に押し込められ不快さに耐えている責任はどこにあるのでしょうか?
責任の一半は、このような状況に目を向けず、肉を消費し続ける消費者にあります。そして牛の苦しみから目を背け行動を起こさない人々も、責任を負わなければならないでしょう。
2017年日本の牛舎
体中に鎧のようにカチカチに固まった糞尿がこびりつき、その牛の周りを無数のハエが飛び回っています。快適な場所を求めて狭い囲いの中をウロウロしてもどこにも牛の落ち着ける場所はありません。
2015-2016年日本の牛舎
粘土のように見える床は、堆積した糞です。おそらくもともとはサラサラのオガ粉が敷かれていたのでしょう。そこにオガ粉の吸収力をうわまわる糞尿が排泄されて混じり、ネトネトなってしまっています。
その上にしか牛の寝場所はありません。
2016年日本の牛舎
こちらはまだ子牛です。時折身体をぴくぴく震わせるのはサシバエに刺される痛みによるものです。不潔さとハエの襲撃で一刻も落ち着けない様子です。
2016年日本の牛舎
2019年日本の牛舎
2019年日本の牛舎
さらに詳しい資料 アニマルライツセンターYoutube アニマルライツセンターFlickr
毎日毎日フンだらけになりながら除フンして綺麗にしとるわクソ