署名とともに、要望書と、フォアグラについての資料を提出しました。
フォアグラの取り扱いの廃止を求める要望書
私たちアニマルライツセンターは、人と動物が穏やかに共存できる社会を目指し1987年から活動を続けるNPO法人であり、ペットの飼育改善や畜産動物の福祉向上に向けた取り組みをはじめ、動物の犠牲が少なく、やさしいライフスタイルを実現するため、啓発、提案活動を行っています。
動物の福祉は、欧米を中心としながらも日本でも取り組みが始まっています。また、動物の扱いについて関心をもつ人は多く、それは犬や猫などのペット動物だけでなく畜産動物に関しても、関心は高まってきています。
貴社も存じの通り、フォアグラは動物虐待の問題を含んだ、世界的にも議論が大きい食品です。通常の畜産物とは異なり、積極的な暴力が生産工程に含まれるためです。
フォアグラの生産方法は、生後81日経ったカモ(アヒル)やガチョウに対し、ガヴァージュ(強制給餌)を2~3週間行い、鳥達の肝臓を通常の10倍まで肥大させ、と殺します。ガヴァージュは、鳥達の口を開けさせ50cmの鉄パイプを胃まで差し込み、とうもろこしの粉(または粒)と油の混合物を鳥の体の3分の1~4分の1程度の量を流し込み、鉄パイプを抜くという方法で行われます。このガヴァージュは一日2~3回行われ、たった2~3週間の間に、鳥の肝臓が肥大し肝機能を果たさない脂肪肝の状態になります。急激な体の変化のため、肝臓が他の器官を圧迫し、気嚢と肺を圧迫し呼吸困難を起こし、息をすることが難しくなり、さらに自分の体を支えることも難しくなります。
「パイプが首の内側を傷つけた」「慢性の肝臓病」「強制給餌による窒息」のため、通常のカモの飼育場の20倍の死亡率になります。
人道的な強制給餌は存在しません。(参照 別紙「フォアグラについて」)
なお、強制給餌を行わないフォアグラはありません。CIFOG(フランスのフォアグラの専門家委員会)の代表シェフのMarie-Pierre Péも「強制給餌の代替手段は見つかっていない。…強制給餌なしでフォアグラは作れない」と明言しています。
この残酷さゆえに、19の国ですでにフォアグラの生産が事実上禁止されています。欧州委員会でも、すでに生産が定着したエリア以外では禁止しており、さらにさらに、カリフォルニア州では州法で販売も禁止、インドでも、輸入販売を禁止しました。生産国のフランスでも、47%の国民が強制給餌の禁止に賛成しています。(2014年12月L214調査より)
さらに、日本でもフォアグラの生産過程を知り嫌悪感を抱く人は増えています。日本の生活者に対して行った意識調査では、フォアグラの生産方法を知った上で、フォアグラを食べたくないと思う人は、63.3%にのぼります。(2014年12月調査)
貴社に、人道的な食材の選定を行っていただきたく、以下要望いたします。
以上、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
2015年2月20日