フォアグラを禁止するか否かについて、世界中が議論の渦の中にある。
2015年サンパウロ市で禁止が決定され、ベルギー議会で禁止、カリフォルニアでは抗争の末禁止、EUでは議会でつい先日まで議論が続いていた。
すでにフォアグラの生産と販売(レストランでの提供を含む)が禁止されていたカリフォルニア州、2015年1月にレストランが憲法に違反しているとして裁判を起こし禁止が違憲であるとされてしまった。動物福祉を重視した住民の思いや倫理的な決定が、レストラン側の商売に負けてしまった格好だった。
当然、動物を守りたいと考える人達により、控訴されている。
2015年6月11日、カリフォルニア州の最高裁判所は、フォアグラを提供したとして起訴されていたthe Napa restaurant La Toque(カリフォルニア州のフレンチレストラン)によるフォアグラ販売禁止法を出し抜く試みを退けた。La Toqueレストランは、「ただ単にいわゆる珍味を提供しただけ」だから、起訴は回避されるべきだと主張したが、却下された。
1月に違憲とされたが、今回は禁止法を重視する判決となり、今後違憲とされた裁判も覆される可能性は非常に高い。
EU議会では36議員の要請に応じて、EUにおけるフォアグラの販売禁止案が議会に提出され、議論が続いていた。
残念ながら、32万人の署名(フランスだけでも8万人)があったにも関わらず、法案は通らなかった。
しかし、以前関心は高く、今後も同様の議論がなされていくであろう。フランスの動物権利団体L214は「倫理基準に適していないので、近い将来、フォアグラは消えていくだろう」と自信を見せている。
※EUで正式に認定されておりフォアグラが残酷であることを証明したEU科学委員会によるフォアグラについてのレポート
このように、世界中がフォアグラを禁止する方向に動いている。それだけ、残酷なのだ。生産を禁止をしている国も数多くある。故意に動物を苦しめて作るため、多くの国で動物福祉法に定植するため、当然のことだ。この故意に動物を虐待した上で、畜産物を得るフォアグラは、国として、企業として、消費者として、倫理的観点から肯定することは出来ないはずなのだ。