ウィンドレス鶏舎信仰、日本では信じられています。
野鳥との接触をさせなければ鳥インフルエンザを防げる?なんていうのは迷信でしかありません。
無数の野鳥の中でたまたま日本で死亡した野鳥の数羽が鳥インフルエンザウイルスを持っていたことは事実ですが、実際にはウィンドレス鶏舎で外と遮断してみたところで、鳥インフルエンザは防げていません。一切。
2016年の鳥インフルエンザ発生鶏舎タイプはこちらから確認してください。
このウィンドレス信仰により、日本のブロイラーを飼育する鶏舎のウィンドレス化が進んでいます。
※ウィンドレス=ウィンドウレス
開放鶏舎 | セミウインドウレス鶏舎 | ウインドウレス鶏舎 | 計 | ||
2007 | 鶏舎棟数(棟) | 6,991 | 1,351 | 2,768 | 11,110 |
% | 62.90% | 12.20% | 24.90% | 100.00% | |
2014 | 鶏舎棟数(棟) | 3,861 | 613 | 10,519 | 14993 |
% | 25.75% | 4.09% | 70.16% | 100.00% | |
増減率 | % | 55.23% | 45.37% | 380.02% | 134.95% |
※畜産技術協会のアンケート調査より(2007年、2014年)
まず調査されている農家数が減少している一方で、棟数は135%増えているため、1件の畜産業者が保有する棟数が増えていることが結果を見る前提となります。
その上であっても、開放鶏舎とセミウィンドウレス鶏舎がそれぞれ約半数に減り、一方でウィンドウレス鶏舎が380%増加となっているのです。
近年ウィンドウレス鶏舎が”激増”しているといえます。
世界的には、ウィンドウレス鶏舎が福祉的ではなく、動物の活動時間の低下、鶏の健康問題を招くことから、鶏舎には窓をつけ、天気の良い日は外の新鮮な空気、自然光を取り入れることが適切な飼育であるとされています。
じっさいにウィンドウレス鶏舎やセミウィンドウレス鶏舎で垂れ幕を締め切った状態であると、とてもマスク無しではいられない状態、かつその大型の換気扇から出てくる空気を浴びたら湿気とホコリとニオイで咳が止まらなくなりますし、そのニオイに一日中悩まされます。
米国のタイソン・フーズは鳥の飼養管理スタンダードとしてNational Chicken Councilを採用しています。その基準は開放鶏舎もしくは(垂れ幕を上げる運用をしている)セミウィンドレス鶏舎でなければ満たせません。
2017年7月には米国の鶏肉製造第3位のPerdue Farms(パーデュー・ファームズ)がアニマルウェルフェアコミットメントを発表しているが、この中でも明確にウィンドレス鶏舎を否定し、全ての鶏舎に窓を取り付けていっていることを発表しています。このコミットメントはアニマルウェルフェアの5つの自由をどのように実現していっているかをそれぞれ説明しており、消費者にとってわかりやすいものになっています。窓を取り付けたという項目は「正常な行動ができる自由」の項目として明記されています。鳥の活動量が増えたためと思われるが、エサの転換率が少し下がったが、その他特に影響はなく、また農家からは好反応が得られたといいます。
外の世界を知らず、建物の中でただ短い一生を終える日本の多くの鶏は、正常な行動ができる自由を奪われ、外気のない悪い空気の中で過ごしています。どんなに大型の換気扇を入れようと、自然な光、自然の暗闇の無い世界は悲惨です。
早急に日本のウィンドレス信仰が収束し、せめて日本の鶏も自然光と自然な空気を体感できるようにしていくべきでしょう。