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スイスに本社のある世界最大の食品・飲料会社ネスレが、2017年11月、世界の全拠点で2025年までに卵・卵製品をケージフリーにすると発表しました。
ヨーロッパとアメリカでは、2020年末までに、残りのアメリカ地域、中東、アフリカ、オセアニアでは2025年までにケージフリーへの移行を目指すとしています。そして、アジアにおいては条件の許す限り同じ移行期間中に実施する予定と記載されています。

この件についてネスレの日本法人 ネスレ日本株式会社に確認し、日本も「2025年までに条件の許す限りケージフリーに移行」に含まれることを確認しました。
また本件について、ネスレ日本株式会社のサイトでも公表してほしいことをお願いしていたところ11月7日に同社サイトで日本語でリリースされました。

ネスレ 2025年までに使用鶏卵を全てケージフリー(平飼い)に(11 7, 2017)

日本国内においてもいくつかの企業がケージフリーを目標にしています。国内のコンパスグループ、インターコンチネンタルホテルグループ、アコーホテルズは、本社のケージフリーのグローバルポリシーに順ずるとしています。しかしネスレ日本のように明確な形で国内へのリリースがまだされていないため、私たちは今回のネスレ日本のリリースを、とても嬉しく、心強く思っています。

ネスレ日本の今回の発表には「ネスレの存在意義は、生活の質を高め、より健康な未来に貢献することです。これには、自社製品の原料のために飼育される動物に適切な福祉基準を確実に設けることが含まれます。」と記載されています。

世界の経済社会にとって、企業はただ利益を追求するだけの存在ではなく、社会の一員としての責任も求められる時代になっています。(それは企業だけでなく消費者一人一人についても同じで、私たちには責任ある消費が求められています)

その責任の中には環境や人権や持続可能性という問題だけではなく「動物」も含まれるという認識が国際社会では広まりつつあります。
たとえば畜産動物の福祉について、食品関連会社を評価しているBBFAW(Business Benchmark on Farm Animal Welfare)の2016年調査では、調査対象企業のうち87%が畜産動物福祉をビジネス問題として認識している(2015年は84%)という結果でした。アニマルウェルフェアについて正式な政策を持っている企業は72%(2015年は69%、2012年は46%)、動物福祉の目標を公開している企業は64%(2015年は54%、2012年は26%)です。

畜産動物の福祉が十分に普及していない日本では、現状、企業の政策の一つに動物福祉をかかげているところはほとんどない状況ではありますが、今後は国内でも動物福祉へ取り組む企業が増えていくだろうと私たちは思っています。
その動きを少しでも早いものできるよう、私たちも努力をつづけていきます。


写真は鹿児島の養鶏場「サテライツ
雌鶏が土を掘り砂浴びをし、休息しているそばで雄鶏が周りの状況を見張り、鶏たちを守っています。
鶏にも社会があり、砂浴びや採餌行動、巣へ隠れて卵を産みたいなどの、生まれ持った強い欲求があります。しかしケージ飼育ではすべての自由を奪われてしまっています。

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