アニマルライツセンターは2016年から毎年一回、畜産動物の飼育実態がどれほど認知されているのか、一般調査会社を利用して調査を行っています。
質問項目は次の10項目です。
【調査名】畜産動物(肉・卵・乳)に関するアンケート
【調査主体】NPO法人アニマルライツセンター
【調査期間】2024/3/27-4/3
【有効回答数】2,832
【調査設計】 手法:一般調査会社を利用したインターネット調査(ネットモニター)
【調査地域】全国
全体として上昇傾向である。調査開始年と比較して最も変化率が大きいのは「ヨーロッパで禁止されている飼育方法が、日本で行われていることを知っていますか?」であり、世界からの遅れについての認識は拡大していると言える。次に変化率が大きいのは「平飼卵、あるいは放牧卵が、スーパーなどで販売されていることを知っていますか?」であり、店頭に平飼い卵が置かれることが増え目につくようになっていることを表している可能性がある。同様の変化率が「「アニマルウェルフェア」、あるいは「動物福祉」という言葉を知っていますか?」であるが、畜産動物だけではなく様々な課題においてメディアが取り上げるようになっていることを反映していると言える。
一方、昨年からの変化率が最も少なかったのは「肉用の鶏(ブロイラー)が、早く成長するように品種改変されており、その結果、病気になりやすくなっていることを知っていますか?」という肉用鶏の現状についてであり、知らない割合の減少はたった0.75%にとどまった。他の設問では知らない割合の減少は多くが2~4%である中、最低レベルである。これは私達自身も肉用鶏について2023年度は全く課題解決に一歩も近づかなかったと感じていたところであり、それを数字として突きつけられた形となった。
アニマルウェルフェアの認知度としては約25%となっており、調査開始当時の13.3%から大きく改善されている。認知度の数字だけを見ると肉用鶏の課題についての認知度も約25%であるが、認知度と課題の解決が結びついていないようである。