アニマルウェルフェアアワード

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アニマルウェルフェアアワード(AWA)2025発表!

アニマルウェルフェアの広がりに貢献した企業

アニマルウェルフェアアワード(AWA)は、畜産動物、水産動物へのアニマルウェルフェア対応が世界から遅れていく日本において、動物たちのことを考え、アニマルウェルフェアへの取り組みをしてくださった企業を、年度ごとに選出して感謝の思いを伝えるアワードです。

日本の畜産動物を守る活動を行うアニマルライツセンターの視点で、できるだけ大きなインパクトを与えたと考えられる取り組みを評価しました。

※2024年4月~2025年3月

鶏賞

キユーピー株式会社様

2024年、キユーピー株式会社はOpenWingAllianceとのキャンペーンと交渉により、欧米では使用するすべての卵をケージフリーにすること、グローバルでは2027年までにマヨネーズに使用する卵を20%ケージフリーにすること、そして日本では2030年までにマヨネーズに使用する卵の20%にあたる量をケージフリーで調達し、さらにケージフリーの市場拡大を目指すことを明らかにしました。

これにより数十万羽の鶏がケージから解放されることとなり、これまでの国内企業の取り組みの中では最大の鶏への恩恵になるであろうことを評価しました。

株式会社シャトレーゼ様

シャトレーゼは自社で放牧養鶏を始め、2024年にその卵を使ったプリンの販売を『YATSUDOKI』のブランドで開始しました。平飼い卵の安定調達と、中長期的に見た企業価値向上を目標に、大手製菓企業が自社内で養鶏を始めるのは新たな方法であることはもちろんのこと、放牧という世界水準を超えるアニマルウェルフェアに取り組むことは、日本の卵業界、および製菓業界に衝撃を与えます。放牧4万羽という数は決して少なくありません。
さらに昨今、ケージフリー卵の需要増加に対し、十分な供給ができない状態の国内養鶏を刺激した、インパクトの高さを評価しました。

豚賞

株式会社七星食品

七星食品は香川県、徳島県に位置する養豚場です。国際的なアニマルウェルフェアをいち早く取り入れ、妊娠ストールフリーに取り組んできました。2025年、新たな一歩として、残りの母豚の妊娠ストール豚舎もストールフリーに建て替えることを決め、動き始めました。七星食品は1棟目の妊娠ストールフリー豚舎から、その価値と経験を、他の養豚業者にも伝えてくれています。養豚大手が妊娠ストールフリーに向けて動き始める一方で、国内の中小養豚場が取り残されつつあるなか、七星食品の活躍と姿勢は大きなインパクトを与えます。
アニマルウェルフェアを正しく前向きに捉え、従業員の働きがいにつなげ、小売業と協働で発信も行うという、アニマルウェルフェアを実践する生産者としての価値を、最大限に活かす姿勢を評価しました。

アニマルウェルフェア、すべての食品企業が進める時代に

世界のアニマルウェルフェアの進みと国内の進みでは、速度が異なりますが、それでも国内でもようやく具体的な動きが始まりました。それが2024年度に起きたことです。しぶしぶ一歩を踏み出した企業も、価値を把握して意気揚々と一歩を踏み出した企業もありますが、その両方が国内の畜産動物たちの希望です。
しかし残念ながら肉用鶏のアニマルウェルフェアについては良い動きがありません。外国産の鶏肉のアニマルウェルフェアの水準まで全く追いつかない国内の鶏肉は、大きなリスクを抱えています。食の安全に直結する肉用鶏のアニマルウェルフェアを進めないことは、国民全体のリスクでもあります。2025年度以降は、肉用鶏のアニマルウェルフェアについても取り組みが深まることを期待します。

最後に、アニマルウェルフェアを上げることを検討し、行動をしてくれたすべての企業に感謝します。

ありがとうございました。

なお、受賞企業にはあらためてお礼をお伝えいたします。