2021年4月12日、日本も加盟するOIE(世界動物保健機関:旧称国際獣疫事務局)がOIE-WAHISをたちあげました。OIE-WAHISは世界中の動物の健康状況に関する包括的なデータベースで、2005年以降のデータが蓄積されています。このデータベースを使い、家畜伝染病で殺処分された動物数を引き出すことができます。
伝染性の高い家畜伝染病に感染すると、基本的に農場ごと動物を殺処分します。「ウィルスを早期に封じ込める」のがその理由です。1頭感染した豚が出れば、他の豚を全頭検査することはしません。他の豚たちは感染した可能性のある「疑似患畜」として扱われ、殺処分されます。
現代の畜産は一か所に動物を過密に大量に閉じ込めるという管理手法です。そのため、ひとたび家畜伝染病が発生すると何百、何千、何万単位で動物が殺されます。
各国がOIEに報告する発生家畜伝染病には多くの種類がありますが、日本でも名前がよく知られている鳥インフルエンザ、アフリカ豚コレラ、豚熱(旧称:豚コレラ)でしょう。2005年以降、これらの家畜伝染病で殺処分された畜産動物の数は、OIE-WAHISによると、次の通りです。
*2004年以前のデータは含まれていません。
*2021年5月時点のデータですので2021年のデータはすべてそろっていません。
*家畜伝染病による死亡も相当数ありますが、それは含めていません。人による殺処分のみです。
*対象は畜産動物のみで野生動物は含みません。
高病原性鳥インフルエンザによる殺処分数 | 246,955,094羽 |
アフリカ豚熱による殺処分数 | 7,572,508頭 |
豚熱による殺処分数 | 754,014頭 |
表はOIE-WAHIS。2021年。世界中で家畜伝染病が発生しています。