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肉用牛の飼養管理に関する指針(案)への意見

アニマルウェルフェアを向上させることが目的であるはずの指針にも関わらず、繋ぎ飼いや痛みで動物を制御する鼻環を肯定しています。下記の長い内容を読んでいただければ嬉しいですが、最低限、繋ぎ飼いを廃止することと、鼻環を廃止することを意見に入れてください。

パブリックコメント全体についてはこちらへ

以下、参考にしてください。

アニマルライツセンターから提出する意見

(2)肉用牛の飼養管理に関する指針(案)

1 管理方法 

1,観察・記録 

「牛の健康悪化の兆候としては、姿勢の変化、被毛の 状態の悪化、目やに、鼻水、下痢、食欲不振、反芻の消失、速く不規則な呼吸、持続 的な咳や喘ぎ、震え、跛行等が挙げられる」に、OIE規約(乳牛含む)に沿って、「常同症、攻撃、沈鬱、その他の異常な行動、外部寄生虫の有無、繁殖効率、横臥時間の変化」を加えること。

 

「記録する項目」に、OIE規約に沿って、「敷料の状態、異常行動、体の汚れ、疾病・事故の発生の割合、取り扱い時の異常発生の割合、」を加えること。

 

「観察する際には、牛の健康状態、採食や反芻の状態、損傷や跛行の発生状況、休息 の状況等」に、OIE規約に沿って、「異常行動、体の汚れ」を加えること。

 

「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に 問題がないか等」に、OIE規約に沿って、「敷料が汚れていないか」を加えること。

 

記録には、殺処分の実施者と方法を加えること。

 

2, 牛の取扱い

「手荒な扱いを避け、丁寧に 取り扱う」に、OIE規約(と畜)に沿って、「尾を捻る、叩く、鼻環を強く引っ張る、緊急時以外のスタンガンなどを避け」と具体例を加えること。

 

「牛を取り扱う際に道具を使用する場合は、鋭い角や先端がある等、牛に不要な痛み を与える可能性のあるものは使用しない。電気ムチなど苦痛を与えるおそれのある 補助器具は、他の方法が失敗した場合であって牛が自由に行動できる場合のみ使用 でき、乳房、顔、目、鼻、肛門、生殖器など敏感な部位を突いてはならない」に、OIE規約(と畜)に沿って、「その動物が応答せず移動しない時には、何か物理的もしくはその他の障害が、動物の移動を妨げていないかどうか調査すること」「体の後部への使用に限定する(厳密にはEUのように後肢の筋肉にのみ)」を加えること。

 

3, 除角 

「肉用牛では、角は繋留時に役立つ等から、除角を行わないことがある。 」に、OIE規約に沿って、「除角より、角のない牛を選抜する方が望ましい」を加えること。

 

また、除角に変わる「角カバー」があることを加えること。

 

「実施の時期は、確実な処置を行うために角根部を触ると角がわかるようになる時 期以降で、除角によるストレスが少ない焼きごてでの実施が可能な角が未発達な時 期(遅くとも生後2か月以内)とし、確実に保定した上で処置する。」に、OIE規約(乳牛)に沿って、「麻酔及び無痛法の使用は、摘芽を実施する場合には、強く推奨される」を加えること。

 

「 薬品(ペースト)」に、 「薬品(ペースト)も牛に苦痛を与えることを認識しておく」ことを加えること。

 

4, 去勢

「また、必要に応じて 獣医師による麻酔薬や鎮痛剤の投与の下で行う。 」に、OIE規約に沿って、「特に高齢の動物の去勢の際、鎮静または麻酔の利用可能性や妥当性について獣医師から指導を受けるものとする」を加えること。

 

7, 鼻環

 鼻環はOIE規約にはない手技であり、対 EU 輸出食肉の取扱要綱でも「鼻環又は両脚を拘束、牽引等しないこと」が規定されている。鼻環は痛みを感じやすい鼻に痛みを与えて牛を制御しようとする器具であり、アニマルウェルフェア上使ってはならないことを明記すべき。また、実際に肉牛においても鼻環は必要ない。

 

【実施が推奨される事項】に「鼻環は痛みを与えて牛を制御する装置であり、鼻環の装着を行ってはならない」を加えること。

 

8, 繁殖

「発情休止、分娩間隔の延長、低い受胎率、高い流産率など」に、OIE規約に沿って、「高い難産率」を加えること。

 

9, 分娩

「新生子牛は低体温症になりやすいので、分娩区画の温度管理や換気は、新生子牛 に合わせて行う」に、OIE規約に沿って、「やわらかくて乾燥した敷料及び補助的な加熱が、低温ストレスの予防に役立つ場合がある」を加えること。

 

10, 母子分離及び離乳

OIE規約に沿って、「子牛の離乳は、反芻動物の消化の仕組みが、成長と福祉を維持するために十分に発達してから行うべきである」を加えること。

 

14, 牛群構成及び社会的環境 

「複数の牛群を混合した場合」のリスクに、OIE規約に沿って、「高い飼養密度、不十分な餌場のスペース、不十分な水へのアクセス」を加えること。

 

「過剰な闘争行動やマウンティングが見られる牛は、必要に応じ当該牛群から移動 させる」に、OIE規約に沿って、「適切な囲い込みによって、牛の不適切な混合によって生じる可能性のある動物福祉の問題を最小限に抑えるものとする」を加えること。

 

2 栄養

1,必要栄養量・飲水量 

ア 肉用牛全般 

【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、「飼料の補充がない場合、屠畜、販売、移転または安楽死を含め、飢餓を避ける手順を踏むものとする」を加えること。

 

イ 肥育牛

「筋肉内の脂肪交雑を高めるため、肥育の中期に、ビタミンAの給与量を制御する飼養方法も実施されるが、ビタミンAが欠乏した場合には、食欲不振、視覚障害、水腫等が生じることとなるため、「日本飼養標準・肉用牛」、「日本標準飼料成分表」等を参照して、ビタミンAの制御時期とその給与量には十分注意する」は栄養の制限を肯定しているように読める。

「ビタミンAの制御時期とその給与量には十分注意する」を、「失明や跛行、夜盲症、浮腫、関節炎、食欲喪失の発生の可能性があるため、ビタミンA給与制限は行ってははならない」を変更すること。日本独特の課題であるためOIE規約には書かれていないが、肉質を変えるための栄養成分の制限はアニマルウェルフェアに反するものである。

 

1,飼養方式 

ア 繋ぎ飼い方式 

「拘束飼育はアニマルウェルフェア上の課題につながるため廃止が必要である」を加えること。

「常時繋ぎ飼いを廃止する」ことを【将来実施が推奨される事項】に加えること。

「牛を繋ぐ場合は、最低限、横臥し、起立し、自然な姿勢を維持し、邪魔されることなく身繕いができるようにする」は、OIE規約に沿って、「牛を繋ぐ場合は、最低限、妨げられることなく、横臥し、起立し、自然な姿勢を維持し、身繕いができるようにする」とすること。身繕いのみが邪魔されることなくという形容詞にかかっているが、すべての行動が妨げられてはならない。

 

OIE規約に沿って、「家畜飼養管理者は、牛が繋がれている場合には、ウェルフェア上の問題のリスクが高まることを認識しておくものとする。」を加えること。

 

「繋ぎ飼い方式で飼われている牛は、アニマルウェルフェア上の問題を防止する ため、繋がれていない状態で運動が十分にできるようにする。」は、1日1回以上とする運動の頻度を加えること。

 

「屋外で繋がれている場合には、歩くことができるようにする。」は、OIE規約に沿って、「転回」を加えること。

 

3, 飼養空間

「1頭を収容できる必要最小面積の目安は、通常、必要面積(m2)=係数 a×体重(kg) 0.67で算出される」に、この数値が最低の面積であり、アニマルウェルフェアを確保するためにはより広い面積が必要であることを加えること。

 

「ほ育期にロープ等による繋留を行う場合は、容易に横になったり、立ち上がった り、身繕いができる長さを確保する。」は、OIE規約に沿って、個別に又は群飼房で育成されるかにかかわらず、各仔牛は、快適に回転し、休息し、起立し、毛繕いを行い、他の動物が目に入る十分な空間を有するものとする」に変更すること。

 

5 その他

3, 緊急時の対応 

豚のOIE規約に含まれる避難計画の詳細の内容「避難手順、高台の確認、不具合を検出する警報器、予備用発電機、主なサ ービス事業者の連絡先情報、農場の貯水能力、水運搬サービスの利用、適切な農場内飼 料保管及び代替飼料の供給、緊急備蓄飼料及び水の供給」を加えること。

 

(参考)肉用牛の測定指標

(参考)肉用牛の測定指標は、実施事情として重要であり、参考とすべきではなく、本文に組み込むべき。

1 コメント

  1. 森田 優美 2022/06/08

    肉用牛の飼養管理に関する指針(案)

    1 管理方法

    1,観察・記録

    「牛の健康悪化の兆候としては、姿勢の変化、被毛の 状態の悪化、目やに、鼻水、下痢、食欲不振、反芻の消失、速く不規則な呼吸、持続 的な咳や喘ぎ、震え、跛行等が挙げられる」に、OIE規約(乳牛含む)に沿って、「常同症、攻撃、沈鬱、その他の異常な行動、外部寄生虫の有無、繁殖効率、横臥時間の変化」を加えること。

    「記録する項目」に、OIE規約に沿って、「敷料の状態、異常行動、体の汚れ、疾病・事故の発生の割合、取り扱い時の異常発生の割合、」を加えること。

    「観察する際には、牛の健康状態、採食や反芻の状態、損傷や跛行の発生状況、休息 の状況等」に、OIE規約に沿って、「異常行動、体の汚れ」を加えること。

    「飼料及び水が適切に給与されているか、換気が適切に行われているか、照明に 問題がないか等」に、OIE規約に沿って、「敷料が汚れていないか」を加えること。

    記録には、殺処分の実施者と方法を加えること。

    2, 牛の取扱い

    「手荒な扱いを避け、丁寧に 取り扱う」に、OIE規約(と畜)に沿って、「尾を捻る、叩く、鼻環を強く引っ張る、緊急時以外のスタンガンなどを避け」と具体例を加えること。

    「牛を取り扱う際に道具を使用する場合は、鋭い角や先端がある等、牛に不要な痛み を与える可能性のあるものは使用しない。電気ムチなど苦痛を与えるおそれのある 補助器具は、他の方法が失敗した場合であって牛が自由に行動できる場合のみ使用 でき、乳房、顔、目、鼻、肛門、生殖器など敏感な部位を突いてはならない」に、OIE規約(と畜)に沿って、「その動物が応答せず移動しない時には、何か物理的もしくはその他の障害が、動物の移動を妨げていないかどうか調査すること」「体の後部への使用に限定する(厳密にはEUのように後肢の筋肉にのみ)」を加えること。

    3, 除角

    「肉用牛では、角は繋留時に役立つ等から、除角を行わないことがある。 」に、OIE規約に沿って、「除角より、角のない牛を選抜する方が望ましい」を加えること。

    また、除角に変わる「角カバー」があることを加えること。

    「実施の時期は、確実な処置を行うために角根部を触ると角がわかるようになる時 期以降で、除角によるストレスが少ない焼きごてでの実施が可能な角が未発達な時 期(遅くとも生後2か月以内)とし、確実に保定した上で処置する。」に、OIE規約(乳牛)に沿って、「麻酔及び無痛法の使用は、摘芽を実施する場合には、強く推奨される」を加えること。

    「 薬品(ペースト)」に、 「薬品(ペースト)も牛に苦痛を与えることを認識しておく」ことを加えること。

    4, 去勢

    「また、必要に応じて 獣医師による麻酔薬や鎮痛剤の投与の下で行う。 」に、OIE規約に沿って、「特に高齢の動物の去勢の際、鎮静または麻酔の利用可能性や妥当性について獣医師から指導を受けるものとする」を加えること。

    7, 鼻環

    鼻環はOIE規約にはない手技であり、対 EU 輸出食肉の取扱要綱でも「鼻環又は両脚を拘束、牽引等しないこと」が規定されている。鼻環は痛みを感じやすい鼻に痛みを与えて牛を制御しようとする器具であり、アニマルウェルフェア上使ってはならないことを明記すべき。また、実際に肉牛においても鼻環は必要ない。

    【実施が推奨される事項】に「鼻環は痛みを与えて牛を制御する装置であり、鼻環の装着を行ってはならない」を加えること。

    8, 繁殖

    「発情休止、分娩間隔の延長、低い受胎率、高い流産率など」に、OIE規約に沿って、「高い難産率」を加えること。

    9, 分娩

    「新生子牛は低体温症になりやすいので、分娩区画の温度管理や換気は、新生子牛 に合わせて行う」に、OIE規約に沿って、「やわらかくて乾燥した敷料及び補助的な加熱が、低温ストレスの予防に役立つ場合がある」を加えること。

    10, 母子分離及び離乳

    OIE規約に沿って、「子牛の離乳は、反芻動物の消化の仕組みが、成長と福祉を維持するために十分に発達してから行うべきである」を加えること。

    14, 牛群構成及び社会的環境

    「複数の牛群を混合した場合」のリスクに、OIE規約に沿って、「高い飼養密度、不十分な餌場のスペース、不十分な水へのアクセス」を加えること。

    「過剰な闘争行動やマウンティングが見られる牛は、必要に応じ当該牛群から移動 させる」に、OIE規約に沿って、「適切な囲い込みによって、牛の不適切な混合によって生じる可能性のある動物福祉の問題を最小限に抑えるものとする」を加えること。

    2 栄養

    1,必要栄養量・飲水量

    ア 肉用牛全般

    【実施が推奨される事項】に、OIE規約に沿って、「飼料の補充がない場合、屠畜、販売、移転または安楽死を含め、飢餓を避ける手順を踏むものとする」を加えること。

    イ 肥育牛

    「筋肉内の脂肪交雑を高めるため、肥育の中期に、ビタミンAの給与量を制御する飼養方法も実施されるが、ビタミンAが欠乏した場合には、食欲不振、視覚障害、水腫等が生じることとなるため、「日本飼養標準・肉用牛」、「日本標準飼料成分表」等を参照して、ビタミンAの制御時期とその給与量には十分注意する」は栄養の制限を肯定しているように読める。

    「ビタミンAの制御時期とその給与量には十分注意する」を、「失明や跛行、夜盲症、浮腫、関節炎、食欲喪失の発生の可能性があるため、ビタミンA給与制限は行ってははならない」を変更すること。日本独特の課題であるためOIE規約には書かれていないが、肉質を変えるための栄養成分の制限はアニマルウェルフェアに反するものである。

    1,飼養方式

    ア 繋ぎ飼い方式

    「拘束飼育はアニマルウェルフェア上の課題につながるため廃止が必要である」を加えること。

    「常時繋ぎ飼いを廃止する」ことを【将来実施が推奨される事項】に加えること。

    「牛を繋ぐ場合は、最低限、横臥し、起立し、自然な姿勢を維持し、邪魔されることなく身繕いができるようにする」は、OIE規約に沿って、「牛を繋ぐ場合は、最低限、妨げられることなく、横臥し、起立し、自然な姿勢を維持し、身繕いができるようにする」とすること。身繕いのみが邪魔されることなくという形容詞にかかっているが、すべての行動が妨げられてはならない。

    OIE規約に沿って、「家畜飼養管理者は、牛が繋がれている場合には、ウェルフェア上の問題のリスクが高まることを認識しておくものとする。」を加えること。

    「繋ぎ飼い方式で飼われている牛は、アニマルウェルフェア上の問題を防止する ため、繋がれていない状態で運動が十分にできるようにする。」は、1日1回以上とする運動の頻度を加えること。

    「屋外で繋がれている場合には、歩くことができるようにする。」は、OIE規約に沿って、「転回」を加えること。

    3, 飼養空間

    「1頭を収容できる必要最小面積の目安は、通常、必要面積(m2)=係数 a×体重(kg) 0.67で算出される」に、この数値が最低の面積であり、アニマルウェルフェアを確保するためにはより広い面積が必要であることを加えること。

    「ほ育期にロープ等による繋留を行う場合は、容易に横になったり、立ち上がった り、身繕いができる長さを確保する。」は、OIE規約に沿って、個別に又は群飼房で育成されるかにかかわらず、各仔牛は、快適に回転し、休息し、起立し、毛繕いを行い、他の動物が目に入る十分な空間を有するものとする」に変更すること。

    5 その他

    3, 緊急時の対応

    豚のOIE規約に含まれる避難計画の詳細の内容「避難手順、高台の確認、不具合を検出する警報器、予備用発電機、主なサ ービス事業者の連絡先情報、農場の貯水能力、水運搬サービスの利用、適切な農場内飼 料保管及び代替飼料の供給、緊急備蓄飼料及び水の供給」を加えること。

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