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乳業メーカーの植物性ミルク市場への参入が止まらない、日本は?

現在植物性ミルクは世界の「ミルク」市場の約10%しかないが、急成長中だ。牛乳を多量に使う時代は終わりに向かい始めている。

植物性ミルクに参入した乳製品企業

DANON、Lactalis、BelGroup、Sodiaal、Savencia Fromage&Dairy(仏)、Delamere Dairy、Meadow Food(英)、Valio(フィンランド)、FrieslandCampina(オランダ)、DMK、Turm、Müller、Hochland (独)、Arla Foods(デンマーク)、Emmi(スイス)、Granarolo(伊)GeneralMills、Chobani、Dairy Farmers of America、HP Hood(米)、Saputo(カナダ)、Epigamia(印)、Yili(中国)、KeytoneDairy(NZ)、Tnuva(イスラエル)・・・

とくに話題に上がるDANON、昨年フランスの大規模工場を植物性ミルクの生産工場に切り替えることを発表した。SILKを買収したりと積極的に植物性ミルクへの投資を増やす。一方で積極的ではなかった乳製品企業の中には倒産したところもある。

牛乳・乳製品は代替ミルクの時代へ

植物性ミルクにみんなが移行する理由

植物性ミルクへの移行にはいろいろなメリットがある。

動物を苦しめない

乳牛たちは子供を奪われ、過激な品種改変をされ、日本の場合は劣悪な飼育環境で飼育され、最後にはみんな殺されるという悲惨な状況にある。Rethink Milkキャンペーンは日本の乳牛たちの悲惨な飼育に焦点を当てている。

病気のリスクが下がる

牛乳を多く摂取すると、特に女性は骨折しやすくなることがわかっている*3。牛乳を多く飲めば前立腺がんのリスクが2倍になり*4死亡率も上がる*5。その他様々なリスクが有る

温室効果ガス(GHG)が低い

FAOによると、牛乳・乳製品生産の過程で排出されるGHG排出量は、世界のGHG排出量の4.0%を占める*1。
※この数字には、牛乳の生産、加工、輸送に関連する排出量と、酪農に関連する淘汰・肥育された動物からの肉生産による排出量が含まれている。牛乳と乳製品の生産、加工、輸送に関連する排出量に限定した場合は世界の牛乳生産、加工、輸送の人為的排出量全体への寄与は、2.7%[±26%]と推定される。

ほとんどの有色人種が乳糖不耐症

先天性ラクターゼ欠乏症は日本に住む多くの人が該当する。多くの人が年をとるにつれて乳糖を消化する能力が低下し、成人になると乳糖不耐症の症状を表す。乳糖不耐症の人が乳糖を含む乳製品を摂取すると、30分から2時間後に腹痛、鼓腸、鼓腸、吐き気、下痢を経験する。新生児にはまれな症状だ。つまりは動物性のミルクは乳児期以外のんではいけないということだろう。人口の約65%*6がこの症状になり、東アジアの民族は90%~100%*7ともいわれる。

良い栄養を取れる

*2アーモンドミルク牛乳(全乳ヘンプミルクオーツ麦ミルク豆乳
カロリー2925960130101
タンパク質1.01 g9 g3 g4.01 g6.0 g
総脂質2.50 g10.99 g4.51 g2.50 g3.5 g
糖質0 g31.01 g0 g19.01 g9.0 g
カルシウム451 mg300mg283 mg350mg451 mg
ビタミンD101 IU0 IU0 IU101 IU120 IU

企業が取るべき方策

これだけ理由が揃えば、植物性ミルクばかりの急激に社会になっていくことに不思議はないだろう。
社会の課題解決をするために、企業が取るべき態度は以下のようなものがある。

  • 飲料メーカーは、今後は植物性ミルクへの商品の開発、投資にシフトする
  • カフェは、植物性ミルクのオプションを牛乳のオプションよりも安価にし、ベースを植物性ミルクに変える
  • レストランは、提供するミルクを植物性ミルクに切り替え、オプションとして牛乳を用意する
  • スーパーマーケットは、牛乳の売り場に健康リスクや気候変動への影響を明記する

などである。

先日はスターバックスUKが植物性ミルクの追加料金をなくしたというニュースも流れた。スターバックスのような大衆的な企業がうごきはじめているのだ。

幸い、日本の乳製品企業の多くは植物性ミルクの分野では先進的とは言えないものの取り組みも見られる。筑波乳業はいまではアーモンドミルクが主力商品になっているようだ。雪印メグミルクや明治や森永乳業は目立たないながらも豆乳を販売している。

取り組みはまだまだ小さく、市場でも目につかない程度ではある。これらの乳製品メーカーが今後、アメリカの乳製品メーカーのように盛り上がるのか、それとも倒産に追い込まれていくのかは、これらの企業が動物の問題の解決、気候変動の解決に本気であるかどうかにかかっているかもしれない。少なくとも、現時点で大手乳飲料メーカーが主力商品にしている牛乳の方に関して、牛たちの苦しみを減らしているということはない。軽めのアニマルウェルフェアのポリシーがあっても、実質的な環境改善につながるような具体的な内容がない。

社会全体で植物性ミルクへの転換を図ろう。

そして牛の苦しみを無視しつづける企業がいなくなるような社会を作ろう。

*1 https://www.fao.org/3/k7930e/k7930e00.pdf
*2https://www.medicalnewstoday.com/articles/325425#nutritional-values
*3https://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015
*4https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23256145/
*5https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4754664/
*6https://medlineplus.gov/genetics/condition/lactose-intolerance/#frequency
*7https://academic.oup.com/ajcn/article/73/2/421s/4737573

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