2021年10月6日、鶏卵汚職事件のアキタフーズ元代表者の裁判が開かれ、有罪が確定しました。アキタフーズ元代表者は、アニマルウェルフェアの国際基準を業界に有利な方針に変えようと当時の大臣や当時の元大臣、農林水産省職員に度々働きかけを行い、賄賂を渡すなどしていました。有罪は確定したものの、この事件の被害者である採卵鶏たちは全く救われていません。
この事件の中心にあった話題はアニマルウェルフェアでした。世界と、日本の市民も含めて採卵鶏のケージフリー飼育への移行が始まっている中で、業界はケージ飼育に固執し、そこに農林水産省も同調し続けました。結局、業界も、農林水産省も、その態度を変えていません。
もう一つ、鶏卵業者が補助金を得やすいように画策したことも、賄賂の理由に認定されています。補助金を得るのは基本的に、世界で終わっていく飼育方法であるケージ飼育の業者です。
吉川元農林水産大臣への賄賂の理由としては認定されませんでしたが、アキタフーズなど業界が働きかけた、卵の価格が下がった時に産卵中の鶏を殺して補助金を得る事業(成鶏更新・空舎延長事業)の業界に都合の良い改正も、何らメスが入ることなく、運用され、2020年度はこれまでで最も多くの産卵鶏が卵の価格調整のために殺されました。
結局の所、農林水産省と業界はほぼ一体であるがために、賄賂は政策にまでは影響がなかったとされ、ただ農林水産省が信頼を失っただけで、なんの改善もないままになっています。
しかし、何の変化もない業界や農林水産省と、市民の動きは違います。
平飼い卵の需要は伸び続けています。
海外の畜産と日本の畜産の明確なレベルの差が、市民の目からもわかるようになってきました。
企業のケージフリーへの言及は少しづつ多くなってきています。(完全にケージフリー宣言をしないまでも)
鶏をケージから開放することができるのは、業者ではなく、国でもなく、市民と市民のニーズや声を受け入れるセンスのある企業です。
スーパーマーケットやお店、ホテル、加工食品企業、通販会社などに、鶏をケージで飼育しないでほしいというあなたの声を届けてください。