東南アジアを中心に、欧米や中国などでリゾートホテルチェーンを展開しているアマンリゾーツ(aman resorts)は、2021年にケージフリーポリシーを公開し、その日本拠点であるアマン東京・アマン京都・アマネムは、アニマルライツセンターの問い合わせに対し、2023年を目標に使用するすべての卵を平飼いにするケージフリー宣言をしました。
日本のアマン ケージフリーへの経緯
アニマルライツセンターがアマン東京・アマネムの担当者とケージフリーへの交渉を始めたのは、コロナ禍緊急事態宣言中の2020年でした。アマン東京はすでに一部のメニューに平飼い卵を使用していましたが、すべての卵を平飼いにする決断をするのは、アニマルライツセンターが要望しても、コロナ禍において、当初は難しかったようです。
しかしアマン東京担当者は、ケージフリー未導入だったアマネム(伊勢志摩)のケージフリーを、先にすすめてくれました。アニマルライツセンターが紹介した信頼できる地元の鶏舎との折衝の末、アマネムは一足先にケージフリーとなりました。
さらにコロナ禍に開業したアマン京都は、最初から地元のケージフリー卵を使用しています。
アニマルライツセンターの卵サポート
アマン東京担当者は、ホテルのグレードにふさわしい良質の卵を使用したいという、意欲のある方です。その担当者に対し、アニマルライツセンターは、ケージフリー鶏舎の紹介から選択基準の説明、液卵など特殊卵の取扱業者紹介など、さまざまなサポートをさせていただいています。
わたしたちアニマルライツセンターは、アニマルウェルフェア・ケージフリーを推進する唯一の日本の動物保護団体として、率先して、企業にケージフリー移行のサポート(卵サポート)をしています。卵使用数や用途に応じて、適切な業者に企業をつなげることで、スムーズにケージフリーを実現し、より多くの採卵鶏をケージ飼育から救いたいと願っているのです。
意外な展開? 駆け足のケージフリー
でも安心してください!
ARCがしっかりサポートしていきますから
アマン東京の場合、アニマルライツセンターの「卵サポート」が開始してから、アマン本社のケージフリーポリシーが公開されたので、当初考えていたより、移行は駆け足になりそうです。アマンスイス本社のケージフリー移行は、グローバルホテルとしてはゆっくりな着手と言えますが、結果として日本のホテルの対応としては、2025年目標の大多数の大手グローバルホテルに比べ、アニマルウェルフェアの点で一歩先んじた、輝かしい先駆的存在となりました。
実際には、いわゆる「2025年問題」といわれ、大手グローバルホテルのケージフリー移行が集中する2024年を前に移行終了してしまうことは、のちに慌てずにすむ、ラグジュアリーホテルらしいゆとりある決断でした。アマン東京を訪れるお客様は、さぞかしお喜びになるでしょうし、なにより一足早く、たくさんの採卵鶏が自由を手にすることは、なんと素晴らしいことでしょうか。