75のNPOが参加する国際連合の説得により、バーガーキングが卵を100%ケージフリーに切り替えることを約束した。
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バーガーキングも所有する世界最大級のレストラングループであるレストランブランズインターナショナル(RBI)は、本日、包括的な世界的ケージフリーポリシーを発表した。このアニマルウェルフェア(動物福祉)ポリシーを改善するという約束は、75を超える動物保護団体の国際連合であるOpen Wing Alliance(OWA)による公開キャンペーンの開始から44日後に発表された。
RBIが発表した新たなグローバルポリシーでは、RBIの各ブランド(バーガーキング、ポパイズ、ティムホートンズ)が北南米・西ヨーロッパ・オーストラリア・ニュージーランドでは2025年までに、日本やその他の地域では2030年までに100%ケージフリーの卵(全卵、液卵、卵製品、卵成分を含む)を調達することを約束する。期限を確実に守るために毎年進捗を報告することも約束し、このポリシーを現地の言語に翻訳することにも同意した。
日本でもおなじみのハンバーガーチェーン「バーガーキング」は、現在、アジアパシフィック地域で急速な国際展開をしている。昨年はアジア太平洋地域で3000店目の店舗をオープンした。
バーガーキングは既に北米、ラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドを含む世界各地の市場とヨーロッパ、中東、アフリカの朝食メニューに使う卵において、ケージ卵の調達を停止すると約束していた。タイとインドネシアのフランチャイズ加盟店も、メニューからケージ卵をなくすことを約束していた。しかしバーガーキングを経営するRBI社(日本においては株式会社ビーケージャパンホールディングス)は、アジア地域を含む世界的なケージフリー・ポリシーは発表していなかった。
アニマルライツセンターも参加している世界規模の動物保護連合オープンウィングアライアンス(Open Wing Alliance)では、10月末からバーガーキングに対してSNSでのアクションなどを含むキャンペーンを始め、世界中のバーガーキングに適応されるケージフリーの政策を求めていた。日本ではメニューに卵と記載されていなくても、調味料を含む食材調達のサプライチェーン全体に責任を持ち、アジア地域以外と同レベルのケージフリーポリシーをアジアでも発表すべきであると要望した。
RBIの新たな世界的コミットメントに至るまでのキャンペーンは44日間続いた。世界中から何千もの動物保護に関心がある人々が影響力の高いオンラインアクションに参加。その中には1日で24,000を超えるツイートがRBIのブランドに送信されるというツイートストームもあった。署名は268,000筆以上が集まった。この国際キャンペーンは、世界中の工場畜産の鶏の福祉を改善するために団結した国際連合OWAのメンバー団体によって実行され、日本ではアニマルライツセンターが主導し、消費者と世界中の採卵鶏に代わって企業からより良い選択を求めた。
「RBIが世界中の市場でケージフリーの卵のみを調達するという約束は、世界のサプライチェーン内の何百万羽もの鶏の苦痛を実質的に減らすことに繋がります」とOWAのディレクターであるアレクサンドリア・ベックは述べている。「世界最大級かつ最も影響力のあるレストラングループの1つとしてのこのポリシーは、ケージフリーが世界のレストラン業界の新たな標準になることを強調します。」
アニマルライツセンター代表理事岡田千尋は「日本では、ファーストフード店として初のケージフリー宣言です。日本のアニマルウェルフェアをリードしてくれる姿勢に感謝しています。」と述べている。
バーガーキングが現在使用している卵は、鶏を小さく不毛な檻の中に閉じ込める農場から来ている。ケージは非常に狭くぎゅうぎゅう詰めで、鶏たちは自然で重要な行動を一切とれない。多くの場合、彼女たちの体の一部がケージに引っ掛かり、その結果、骨折し、脱臼し、また羽毛が剥げ落ちる。疲れ果て、動けない鶏は、餌を食べられず衰弱死していったり、ケージの仲間に踏まれたまま死んでいくこともある。バーガーキングが約束を果たせば、彼らのサプライチェーンに組み込まれている鶏たちの健康状態は劇的に改善される。
世界中の様々な業界の大手企業がケージフリーに移行しており、ケージフリーの卵に対する消費者の需要は急速に高まっている。残酷なケージを廃止するための世界的な取り組みは、ネスレ、ヒルトン、マリオットグループ、インターコンチネンタルホテル、コンパスグループ、メトログループなど、多くのグローバル企業が行っており、日本でも80以上の企業やお店がこの恐ろしい飼育方法から遠ざかっている。
Open Wing Alliance (OWA) とは
OWAは、世界中の鶏の虐待を終わらせるためのキャンペーンに焦点を当てた動物保護団体の世界的な連合である。この連合は2016年に The Humane League によって設立され、84のメンバー団体が世界最大の企業の動物の扱い方を変え、企業の動物福祉ポリシーの新しい基準をすべての主要市場で、そして世界的に設定することで、グローバルな力に成長した。