平飼い卵100%を目指す素敵なお店を2店紹介します。
京都市北区の和菓子いけだでは、平飼い卵を使用したどら焼きを作っています。平飼い卵の生産者として定評ある、わびすけの卵を使用しており、将来この卵の供給が間に合えば、2030年にはケージフリー100%を目指せるそうです。「だんだんケージ卵と平飼い卵の価格差がなくなってきた」と店長はおっしゃいますが、実際そのとおりです。しかし平飼い卵を使う和菓子屋が増えたとしても、職人歴20年のいけだの味は、他にひけをとりません。和菓子いけだはイベントなどでは、砂糖も甜菜糖を使用した完全ヴィーガンどら焼きも販売しています。
滋賀県高島市『農家の嫁』(よこいファーム)は、楽農舎という鶏舎の平飼い卵を使用したプリンを製造販売しています。現代人は忘れがちですが、鶏の産卵には季節変動があります。だから卵には旬とそうでない季節があり、仕入れが変動することで商品の製造数も変わるのが、本物の証拠です。スイーツには売れる時期とそうでない時期もあるそうです。だからよこいファームでは季節や需要に応じ、平飼い卵が足らないときはケージ卵を使用することがあります。しかし平飼い卵100%のときがしっかりあるのが、よこいファームの誇りです。アニマルライツセンターが「平飼い卵の仕入れは難しいですね。でも100%を目指していただけますか」と難しい問いかけをすると「はい!目指します!」と力強いおこたえをいただきました。
わたしたちがアニマルウェルフェアの課題に向きあうとき、ゼロか100か、YESかNOかの二択だけでは、良い選択をし続けることはできません。社会を良い方向に変えようとする力は、あいまいさや混沌のなかに芽生えるのです。その芽や小さな双葉をわたしたちは応援していきます。もちろん今回紹介した2店は、すでにアニマルウェルフェアの太い幹を成長させ、あるべき未来にその手を伸ばしています。何だってそうですが、精一杯努力しても今はできないこともある。しかし将来はかならず良い社会を目指し、アニマルウェルフェアを進めていく企業をアニマルライツセンターは応援します。