専門的に農業を学び、食品会社勤務を経て、農林水産省に入省した経験のある異色のオーナー高城嘉樹さんが経営するやさいの庭Chiisanate(ちいさなて)がケージフリー宣言をしました。
オーナーは食と農のエリートですが、その人生は、食と農の欺瞞に直面し、つねに葛藤する日々だったそうです。
最初に就職した食品会社時代には、商品に使われる添加物の量に衝撃を受け、社会に与える悪影響に打ちのめされ、自分の仕事を好きになれませんでした。
それで世のため人のために働きたいと農業を勉強しなおし、晴れて農林水産省に入省、しかしそこでの高城さんの仕事は「儲かる農業」実現のため、公共事業投資にまい進し、生産性向上と労働時間削減という効率のみを追求する日々だったそうです。
高城さんの農業の理想は、祖母の家で体験した素朴な自給自足生活でしたから、安全な農産物へのこだわりがあります。さらに子どもを授かったことにより、スローライフへの気持ちが高まり、とうとう農林水産省を退省、36歳のときに念願の、やさいの庭Chiisanate(ちいさなて)をオープンさせました。
やさいの庭Chiisanate(ちいさなて)はその名の通り、ちいさなオーガニックレストランです。若き日々に苦しみながら向き合った食との葛藤、そこから得た無添加と安全性を重視する食材選びのおかげで、ごく自然にアニマルウエルフェアを取り入れたメニューが実現しました。アニマルライツセンターからの発信もポジティブに受け止めてくださっています。
わたしたちが追及するアニマルライツ、アニマルウェルフェアとは、ある意味かけ離れた人生を送ってこられたオーナーが、現在、同じ方向を見て歩んでおられることは、オーナーご自身の資質であると同時に、食に関する本質が求められる時代へと価値観が変わってきたのだと感じます。
Chiisanateは飲食店としては珍しく、農産物の有機(オーガニック)JAS認証を取得し、JAS法に基づくオーガニック野菜の生産もしています。さらに卵についてはうれしいことに、じつはメニューにはほとんど使用されず、必要とするお客様にお分けするのみの提供です。オーナー自身、ご家族に対しても卵を食べることは体によくないとお考えで、限りなくエッグフリーを志向し、どうしても食べるならと、平飼い卵を選んで少量販売されているのです。
宮崎県 やさいの庭Chiisanate(ちいさなて)
https://www.chiisanate.com/
※レストランにはヴィーガンオプションがあります。