栃木県真岡市にある「株式会社ハコニワ・ファーム」がアニマルライツセンター の問い合わせに対し、既に使用している卵が平飼いであること、またケージフリーに賛同してくださると回答いただきました。
こちらは、平飼い卵のプリンなどの販売の他に、障がい者就労支援事業「わらくや」と連携し、障害者支援を行っています。
以下はオーナーの方のお話しです。
5年ほど前にケージ飼育の養鶏業へお手伝いへ行きました。そこでは鶏たちが思いもよらない飼育をされていました。2羽ずつ狭いケージに詰められ餌を食べる事しかできず、冬場は鶏舎の水管が破裂し、冷水をかぶりながらたくさんの鶏たちが凍死してしまったり・・・そんな状態を良しとして卵が出荷されていく、日本の畜産の実態を初めて知った瞬間でした。
こんな悲惨な環境で一生を終える鶏たちを少しでも減らしたい!命を削って私たち人間のために健気に卵を産んでくれる鶏たちに、生きている間は思い切り幸せであってもらいたい!安心できる餌を人間の都合などでコントロールせずに、食べたい時に食べたいだけ食べてもらいたい。夜になればゆっくり眠りについてもらいたいし、地域の名水と言われる美味しい地下水を、好きなだけ飲める生活を、少しでも長く味わってもらいたい・・・それがきっかけで、少しでも良い状態で鶏さんたちが生活できる状況を作れないかと、自分たちで養鶏に取り組もういうことになりました。平飼いについて調べ、基準よりも広い環境にし、匂いをさせないように毎日糞を取って掃除をしています。うちの鶏さんたちはとても懐いてくれて、私たちが寄ると大歓迎で迎えてくれます。
また、ハコニワ・ファームは昨年、運営を続けられなくなった近隣のケージ飼育の養鶏場から廃鶏となる鶏たちを引き取りました。
今までケージの中に入っていた子たちがやっと太陽を浴びられて、障害を持った方達が話しかけながら丁寧にお世話をしてくれているので人馴れして警戒心もなく寄ってくるようになりました。
たまごはニワトリたちの命のおすそ分けですから、その大切な大切なたまごを、生産者として責任をもって消費者の皆様へお届けし、このケージフリーの養鶏を、小さな養鶏場ではありますが、永続する仕組みをしっかりつくることを、今一緒に生活する可愛いニワトリたちに約束したいと思っています。
産業動物の扱いの酷さを改善したいという強い気持ちを感じられました。
とても快くケージフリーに賛同くださいました。
日本の卵の一般的な飼育方法であるケージ飼育では、生産性を重視するため鶏をカゴに詰め込み、過密飼育をします。そのため、運動不足も加え鶏は病気になりやすく、薬剤などを用いて病気の蔓延を防ぎます。
日本の90パーセント以上の農家がケージ飼育です。
ケージ飼育の鶏
一方で、平飼いという、鶏が自由に歩き回れるケージフリーな飼育をとっている養鶏場も日本では少数ですがあります。
平飼いの鶏 (今回紹介したお店が卵を調達している農家ではありません。別の平飼い農家です)
世界ではケージ飼育の廃止が進んでおり、現段階で日本のアニマルウェルフェアはだいぶ遅れを取っています。
ケージの中で搾取され続け、動けないまま一生を終える鶏を減らすために出来る簡単なことは、消費者の皆さんがケージ飼育の卵をやめ、買うとしたら平飼いを選ぶか、鶏のためを思い卵の消費を無くしていくことです。
現状を知った人が、今日から人道的でエシカルな選択をしていくことが、持続可能な未来に繋がります。