採卵鶏がと畜場で長時間放置されている問題で、2018年7月6日、再び立憲民主党の初鹿明博衆議院議員が厚生労働委員会で質問を行いました。
上記質問の1ヶ月前の6月6日、初鹿議員の質問に対して厚生労働省は「通知発出後2か月が経過したところでございますので、今後、その後の状況を把握し、徹底したいと思っているところでございます。」と回答しました。
これを受け、アニマルライツセンターでは追加調査を行った。2度めの調査には初鹿議員が同行してくださいました。
関東にある6件の食鳥処理場の状況を確認した。そのうち4件が明確に夜間鶏を放置していることが確認された。
変わっているのは、1件の食鳥処理場に目隠しのためと思われる大きく立派な壁が建設されたことだった。このような設備投資ができる資金的余裕はあることがわかった。
初鹿衆議院議員が同行され、関東の2件の食鳥処理場の状況を確認したところ、2件ともで夜間放置が行われていたことが確認された。
上記調査をうけ、初鹿議員は再度厚生労働委員会で改善を求めました。徹底を求めると同時に夜間の状況を抜き打ちで確認すべきであると追求し、厚生労働省は事前通告なしの調査を検討すると回答しました。
ただしその調査内容が衛生面に絞られており、根本的な解決に向かうものか不安があります。初鹿議員からは、前日に運び込むこと自体を農林水産省と連携してなくしていくようにと、要望されました。
改善には農水省との連携が欠かせません。運び込む側、出荷する側が変わらなければ、変えられないのです。また環境省の協力も必要です。厚生労働省が地震の管轄で起きている福祉的な課題も、環境省の管轄だと言いはる以上は、長時間放置が不適切であることは間違いがないのですから動物愛護行政として指導をしなくてはならないはずなのです。
※下記はアニマルライツセンターで聞き取った議事録であり、仮の状態です。正式な議事録が出されたら差し替えます。
初鹿議員
(中略)どういう状況に現状なっているのかというのを、私も実際に自分の目でね、見ようと思って行ってきました。
一枚めくっていただいて、写真を付けさせていただきました。ちょっと日にちを間違えてしまったんですね、これ6月19日でした。一日間違えてました。ビデオテープが日にちが設定が間違えていたみたいで。で、こういう状況だったんですが、ビデオも撮ってきて、担当の方に昨日見ていただいて、USBを大臣に質問の前に見てもらえないかって頼んだんですけれど、大臣見てもらえました?時間なかったですか?ぜひ後で見ていただきたいと思います。
まあ、つまり、食鳥処理場6月19日の段階で、こういうふうになってました(写真を指し示す)。夜中です。これ、北関東のある食鳥処理場なんですね。10時過ぎぐらいに東京出て、2時間位走ったあたりで2箇所見たうちの1箇所なんですけれども、こういうケージにギュウギュウに入って、だいたいこれが15くらいあったと思います。見ていただくと、上の右側ですね、一番下を見ると床には糞尿がたれているような状態。つまり床にあるってことは上からやっぱりずーっとたれてきているから、当然鶏さんにもかかっていると。で、卵やっぱり産んでいるですよ。これ、そこら中で卵産んでいるのがわかる。これね、左側は卵のままで残ってますけれど、右側見るとちょっと黒くなってますよね。これ、卵が割れたのがついているんです。これがそこら中にありました。で、ちょっとなかなかうまく写真は撮れなかったんですが、見ていると、撮れている写真がなかったんですけどね、死んでいるだろうというのもいて、その上に重なって鶏がいるというそういう状態だったんですね。
で、やっぱりこれは好ましくないですよね。涼しい日だったからいいんですけど、これから梅雨もあけてだんだん暑くなっていくと、そういう中で死んでいる鶏と生きていてこれから肉にしていこうという鶏とが一緒にいるっていうのは、やっぱり衛生的じゃないと思うんですよ。やっぱりね、この通知の徹底を本当にしなければいけないと思います。
それで改めて伺いますが、現状ね、徹底すると言っておりますがどうしたのかということと、やはりきちんと通知を徹底するために、できればですね、一回夜の状態を見て、抜き打ちで見て、確認した上で、きちんと食鳥処理場に指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。宇都宮生活衛生食品安全審議官
お答えいたします。ご指摘いただきましたように、鶏が著しく汚染している状態に付きましては、食鳥検査法に基づく屠殺前の生体検査で、生体受け入れ施設で同一の鶏舎で飼育された鶏群などロットごとに確認しているところでございますが、今いただきましたご指摘も踏まえまして、事前通告なしに検査することも含めまして現状の把握ができるよう調査を行うことを考えているところでございます。
初鹿議員
ぜひですね、一番の問題は、夜間に放置をされている、つまり夕方持ってくるということですから、ここはもっと農水省とも連携をして、夜間に長時間放置されることがないように徹底していただきたいということをお願いします。
以下から厚生労働委員会の動画を見ることができます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48340&media_type=fp
■環境政策に関する意見・提案、問合せ窓口に、屠殺場や食鳥処理場まで含めて、畜産動物の福祉についてきちんと扱ってほしいことを伝えてください。
※分野は「7.自然環境・自然公園」です。
https://www.env.go.jp/moemail/
■厚生労働省に、屠殺場、食鳥処理場でのアニマルウェルフェアについて取り組むよう、また、食鳥処理場に長時間放置することのないように伝えてください。
https://www.mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/getmail
■農林水産省に、屠殺、食鳥処理場まで含めたアニマルウェルフェアに取り組むよう、また、食鳥処理場に長時間放置することのないように伝えてください。
https://www.contactus.maff.go.jp/voice/sogo.html
■卵および卵製品を買わないでください。平飼い卵や放牧卵であっても食鳥処理場を利用している(大半が利用しています)卵は購入しないでください。
■鶏肉を使った冷凍食品、缶詰を買わないでください。