アニマルライツセンターはオープンセサミさんが里親になってくれた二羽に続いて、バタリーケージ養鶏場の採卵鶏を二羽保護しました。彼女たちは歩行に困難を抱え、卵を産むことができなくなって殺処分される寸前でした。
彼女たちの里親になってくれたのは、これまでもバタリーケージの鶏の小春とさつきを家族にしてくれた氏家さん。
氏家さんの家の広い庭で、日のよく当たる青い草の感触をはじめて二羽は感じました。
彼女たちはまだ思うように歩くことができません。
一羽は左の足指が捩じれてしまい地面をしっかりつかむことができないため、前に進むことができません。もう一羽は足の付け根が思うように動かず、何度も転がってしまいます。
それでも二羽とも地面を踏みしめて歩こうと何度も挑戦しています。
二羽が思うままに飛んだり跳ねたり走ったりできるよう、願いを込めて
「希(のぞみ)」「あゆみ」と名づけました。
希(のぞみ)
あゆみ
鶏たちが経済動物として扱われる養鶏場では、足に障害をきたしたりや起立不能になった鶏は淘汰(殺処分)されます。
彼女たちはもはや給水器にくちばしが届かないし、足で床を支えることができないため飼槽の餌をつつくこともできません。そのため卵を産むこともできなくなってしまいます。そのような鶏は排除してスペースを空けて、卵を産む鶏をそのスペースを与える、というのが商業養鶏です。
かけがえのない命というのは畜産業では通用しない考えです。
鶏の価値は「たくさん卵を産む」ことにしかありません。
そのように生産性を追求して過酷な品種改変を行った結果が、「歩行困難」や「起立不能」です。
一つでもたくさん卵を産むよう品種改変され続けた結果、自分自身に必要なカルシウムまで排出してしまい、採卵鶏は骨粗しょう症になりやすくなっています。運動不足のケージ飼育も骨のもろさに拍車をかけます。
立てなくなっても、最期のぎりぎりまで彼女たちはケージの中で立ち上がろうと挑戦します。
給水器に首を伸ばし、飼槽に近づこうとします。
最後のぎりぎりまで生きることをあきらめようとしません。
卵を産む産まないにかかわらず彼女たち一羽一羽がかけがえのない鶏です。
鶏たちが、かけがえのない命として配慮されるよう、アニマルライツセンターは力を尽くします。
動物たちの解放を目指して、
卵の消費量を減らし、
ケージ飼育をなくし、
VEGANの選択をする人を増やします。