日本から唯一アニマルライツセンターが参加したオープン・ウィング・アライアンス(Open Wing Alliance:OWA)によるキャンペーンの結果、世界最大のコーヒー店チェーンで、世界のトップ2のレストランチェーンのスターバックスが、世界の直営店で2020年までに100%ケージフリー卵(平飼い卵、放牧卵など鶏をケージに閉じ込めずに生産した卵)で調達し、鶏をケージに閉じ込めた生産を中止することを発表しました。
今回のスターバックスの決定は、グローバル展開をしている主要レストランチェーンとして、初めての全世界拠点でのケージフリー政策になります。この政策はアメリカ、ヨーロッパ、日本、中国の約20,000店舗に適応されます。アメリカのスターバックス本社によると、完全子会社化である日本のスターバックスコーヒージャパン株式会社にも、今回の政策が適用されます。
また、日本の企業として初めて、「2020年」までにケージ飼育の卵の廃止を決定しました。
これまでユニリーバ、ネスレ、インターコンチネンタルホテルズグループ、コンパスグループなどの世界的大企業は、日本も含む世界中のサプライチェーンで残酷な採卵鶏のケージ飼育を廃止するとしていますが、2025年までに廃止するとしており、残りあと1年強での切り替えは、平飼い卵生産の追い風になるでしょう。
スターバックスのケージフリー政策は、殻付き卵と、原材料に使用される液卵の両方に適応され、焼き菓子、サンドイッチ、ラップ、キッシュ、プリンなどの全てのメニューにケージフリー卵が使用されることになります。ただし、ライセンス契約の店舗はこの制作に含まれておらず、今後、時期は未定ですが、市場の変革を更に進めるために、スターバックスはライセンスを取得して営業している店舗とも協力し、ケージフリーの取り組みを広げ、世界中すべてのスターバックス店舗で100%ケージフリーの卵を調達できるよう取り組んでいきます。また、スターバックスはその進捗状況についても公開していくとしています。
OWAの取締役であるアレクサンドリア・ベック氏は、「スターバックスが世界的なレストランチェーンとして、自社のグローバルサプライチェーンから残酷な採卵鶏のケージ飼育を廃止する立場をとり、世界に前例をつくったことを称賛します。全ての国に適応されるケージフリーの政策を発表したのは、レストラン業界の主要な多国籍企業としてスターバックスが初めてです。スターバックスの今回の決断は、ケージ飼育は近いうちに過去のものになるだろうという力強いメッセージを伝えるだろうと考えています」と話しています。
アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は「国内の企業として2020年という目標はチャレンジであり、大きな意義を持っています。世界を代表する企業であるからこそ、このような決断が可能となり、この決断を歓迎すると共に、実現に向けて消費者啓発や生産者の変換などを更に促してまいりたいと思います。またこのスターバックスの英断に続く企業が増加することを期待しています。」と述べています。
2018年4月に始まったスターバックスに対してケージフリーを求める運動は、世界的から多数の強力な動物保護団体が共同して1つのレストランチェーンに働きかける、はじめての世界規模のキャンペーンでした。
日本からは唯一アニマルライツセンターが参加、2018年4月にチェコ共和国プラハで開催されたオープンウィングアライアンスのグローバルサミット期間中、スターバックスに対する抗議デモに100人以上が集まりました。これをきっかけに、今回の世界的なキャンペーンへ発展しました。
キャンペーンではChange.orgの署名や、SNSでのアクションも用いられました。署名はオープンウィングアライアンスのメンバー団体によって多言語に翻訳され、世界中から多くの署名が集まりました(2週間弱で188,000筆が集まった)。SNSでのアクションは #StarbucksCrueltyというハッシュタグで検索することができます。
アメリカ・カナダのマクドナルド、ヨーロッパ・オーストラリア・アメリカのサブウェイ、アメリカのデニーズ、アメリカのウォルト・ディズニー・カンパニーをはじめ、世界中で200以上の企業がケージフリーを決定しています。様々な業界から主要な企業がオープンウィングアライアンスと協力してケージフリーの卵に完全に移行していくことを発表しています。ユニリーバ、ネスレ、インターコンチネンタルホテルズグループ、コンパスグループなどの世界的大企業は、日本も含む世界中のサプライチェーンで残酷な採卵鶏のケージ飼育を廃止するとしています。
日本のレストランチェーン、カフェ、世界中を席巻するケージフリーの流れに続いてください!!!