2021/9/3 –ケンタッキーフライドチキン・ピザハット・タコベル などの有名ブランドを、国際市場で50,000店舗近く展開するYum!ブランズ社は、世界最大のレストランチェーンである。同社は本日、2030年を目標として、使用するすべての卵をケージフリーへ移行すると発表した。さらに多くのエリアで、早期の2026年までに切り替えを終える。これは、 オープンウィングアライアンス(OWA) が主導する、過去最大のケージフリーキャンペーンによる結果であり、これより世界中の市場で、数百万の鶏の飼育環境が改善する。
「Yum!ブランズの市場は巨大です。同社がケージフリー卵のみを調達するというこの歴史的な取り組みによって、世界中で採卵のために飼育される数百万羽の鶏の苦痛が軽減されます」と、OWA代表アレクサンドリア ベックは述べた。「このケージフリーポリシーには、最も影響力のあるファーストフードチェーンが含まれており、ケージフリーが業界の未来になりつつあることは明らかです。」
アニマルライツセンター代表理事岡田千尋は「バーガーキングに続いて巨大ファーストチェーンであるKFC、ピザハットがケージフリーを決定したことは日本社会にも大きな影響を与えるでしょう。来たるべくケージフリーの社会に備えてほしいと思います。また他のファーストフード店を始めとする飲食店が同様に、鶏たちをケージに閉じ込めないという約束をしてくださることを期待します。」と述べている。
この世界的なコミットメント以前の、今年8月26日にYum!ブランズ社は、米国、西ヨーロッパ、およびその他の主要市場におけるケージフリーポリシーを公開していた。さらに今回の新たなグローバルポリシーによって、同社は150を超える国と地域で、100%ケージフリーの卵と卵製品を調達することを約束した。移行は2030年末までに完了する予定である。そのうえ透明性確保のため、毎年進捗を報告することにも同意した。
Yum!ブランズのコミットメントに至るまでの公開キャンペーンは、工場畜産で飼育されている鶏の福祉を改善するため団結した連盟、OWAのメンバー団体によって主導された。日本を含む63か国にわたる、77の影響力ある動物保護団体の活動家が力を合わせ、Yum!ブランズ社の顧客と毎日苦しんでいる採卵鶏に代わり、改善を要求した。認定NPO法人アニマルライツセンターとその支援者も含め、世界中で数千人が何十万ものオンラインアクションを起こし、Yum!ブランズにケージフリーを促した。セルビア、ナイジェリア、台湾などでは、街頭でのデモも行われた。
なぜケージフリー?
ケージ飼育の養鶏場では、狭くぎゅうぎゅう詰めで、鶏たちは自然で重要な行動が一切とれない。日本の平均飼育面積は一羽あたりたったiPad一枚分だけ。彼女たちの体の一部がケージに引っ掛かり、骨折し、脱臼し、また羽毛が剥げ落ちる。疲れ果て、動けない鶏は、餌を食べられず衰弱死したり、ケージの仲間に踏まれたまま死んでいくこともある。ケージシステムを排除することにより、サプライチェーンに組み込まれている鶏たちの健康状態は、劇的に改善される。彼女たちの飼育環境を変えるには、さらに多くの取り組みが必要であるが、今回の発表は採卵鶏にとって重要な第一歩だ。国内でも今年2月に小泉環境大臣が「バタリーケージはアニマルウェルフェアの観点からは推奨されるものではない」と、環境省としての見解を述べている。
ケージフリーの卵に対する消費者の需要が高まり続ける中、Yum!ブランズ社のようなグローバル企業や業界のリーダーはケージを廃止してきた。バーガーキング、ヒルトン、ユニリーバ、ネスレ、インターコンチネンタルホテル、クラフトハインツなど100を超える世界最大級の企業が、残酷なケージを終わらせるグローバルコミットメントを約束している。日本でも130以上の企業やお店がこの恐ろしい飼育方法から遠ざかっている。
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Open Wing Alliance (OWA) とは
OWAは、世界中の鶏の虐待を終わらせるためのキャンペーンに焦点を当てた動物保護団体の国際連盟である。この連盟は2016年に The Humane League によって設立され、75のメンバー団体が世界最大の企業の動物の扱い方を変え、企業のアニマルウェルフェアポリシーの新しい基準をすべての主要市場で、そして世界的に設定することで、グローバルな力に成長した。
認定NPO法人アニマルライツセンターとは
アニマルライツセンターは、動物たちの現状を明らかにし、アニマルウェルフェア向上とアニマルライツの普及を行う日本の動物保護団体。主に、卵や肉などの食べ物として扱われる動物、毛皮やアンゴラなど衣類素材として扱われる動物を守るための活動や、日本全国のアニマルライツの行動ネットワークづくり、エシカル消費の推進を行う。2005年から開始した毛皮反対キャンペーンでは、日本の毛皮消費量を90%減少させてきた。
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連絡先:Open Wing Alliance 日本加盟団体
認定NPO法人アニマルライツセンター 代表理事 岡田千尋
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