国内でケージフリー宣言をするお店が続出しています。
8月には新たに「田舎の台所 零壱」(茨城)、ねこカフェ「たまねこ」(東京)、「でこぼこマーケット」(東京)の3店舗がケージフリー宣言をしてくださいました。
これで、国内でケージフリー宣言をしたお店は130社を超えました。
あなたの会社もケージフリー宣言しませんか?
ケージフリー宣言とは、自社で使用している卵を、将来的にケージフリー(平飼いや放牧)のものに切り替える、または、現在すでにケージフリーの卵を使っている店では、これからもずっとケージフリーの卵を使い続けると消費者に約束をすることです。
最近ではアニマルウェルフェアやケージフリーに関するニュースが、新聞や雑誌だけでなく、テレビでもよく報道されるようになりました。
アニマルウェルフェアの重要性が、より多くの方に認識されてきていると感じます。
先日は、内閣府がケージフリーの卵を採用したことや、ケンタッキーフライドチキン・ピザハット・タコベル などの有名ブランドを展開するYum!ブランズ社がケージフリー宣言をしたことも、大変話題になりました。
ケージフリーへの移行は、今後ますます加速していくと予測されます。
田舎の台所 零壱
茨城県つくば市にある田舎の台所 零壱は食材にこだわりを持つオーナーがご夫婦で経営されています。
自分たちで放牧飼育をした鶏の卵や、栽培期間中に農薬や化学肥料を使わないで育てた米や野菜をお店で使用しています。
お店で飼育している鶏はメス10羽とオス2羽。「ぴーちゃんず」という名前で、オーナーや常連客に親しまれ、元気に過ごしている姿がsnsに投稿されています。現在はお店で使用する分の卵の生産量が、全てまかなえないため、一部ケージの卵を使用していますが、今後は飼育場を広げ、飼育羽数を増やす計画をしているそうです。
2023年までに、お店で使用する卵を、全て自家養鶏の放牧卵に切り替えるように準備を進めていくと約束してくださいました。
オーナーはアニマルウェルフェアにも強い関心を持っていただき、今後はお店でもアニマルウェルフェアについて発信していきたいとお話してくださいました。
ぴーちゃんずの様子
ねこカフェたまねこ
東京都多摩市にあるねこカフェたまねこは、保護猫の譲渡会を開いたり、里親募集をしたりなど、積極的に猫の保護活動をしているお店です。
この度、お店で使用している卵が全て平飼い卵であり、ケージフリー運動に賛同すると、オーナー自らご連絡をくださいました。
これからの飲食店の先頭に立ってアニマルウエルフェアにコミットしていきたいです。
遅れた存在のイメージは払しょくしていきたいですね!
と、語ってくださったオーナー。
平飼い卵を使用しているメニューには、アニマルライツセンターのケージフリーロゴもつけてくださり、ケージフリーの啓発にもご協力していただきました。
でこぼこマーケット
でこぼこマーケットでは、自然養鶏でのびのびと育てられた鶏の卵だけを販売しています。野菜は可能な限り農薬に頼らないことや、化学肥料不使用にこだわり、規格外や訳ありで廃止されてしまう野菜の販売を中心に行なっています。
元々保育士だったオーナーが、マーケットを始めた願いはふたつ。
「廃棄予定だった野菜を消費者につなぐことで、農家さんの応援をしたい!」
「エネルギッシュな野菜を提供することで、消費者も地球も元気にしたい!」
さらに、「アニマルウェルフェアも優先すべき重要なテーマ」と語るオーナーは、自然養鶏の卵を選んだ理由について、以下のように話してくださいました。
大切に育てられた鶏が産むたまごを、感謝して頂く。「食」の原点を、養鶏を通じて一人でも多くの方が再考するきっかけとなれば…という思いから。
アニマルライツセンターの活動にも関心を持っていただき、来店されたお客さんに、アニマルライツセンターのリーフレットの配布にご協力をいただけることになりました。
日本のアニマルウェルフェアに関する取り組みは、国際社会から大きく遅れを取ってしまっていますが、最近は国内の動きが変わってきているのを強く感じます。
採卵鶏の残酷な飼育環境の実態が明らかになるにつれ、ケージの卵を選ばない消費者が増えてきました。大半のスーパーで、平飼い卵が置かれるようになりました。
企業の社会的責任が重要視される今、動物への配慮がない企業は、今後、消費者に選ばれなくなっていくでしょう。
世界の、そして日本の潮流に乗り遅れないためにも、アニマルウェルフェアの取り組みは重要課題であると考えられます。