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畜産と人権侵害の密接な関係

森林がなくなるということは、その土地で暮らしていた人や動物が住めなくなるということだ。

畜産業がいかに熱帯雨林やサバンナ地域で自然を破壊してきたかは多くの人が知っているが、そこには人も住んでいることを忘れてはならないだろう。先住民と呼ばれる、つまりは侵略者ではない人々だ。

[Caci]というサイトには、殺された先住民が殺された場所をマッピングしてある。Caciとはグアラニ語で「痛み」を意味するそうだ。先住民宣教師評議会(CIMI)とda Comissão Pastoral da Terra(CPT)の1985年以降の情報をもとに作られているが、ここで報告されているものよりもより多くの被害があるという。

http://caci.cimi.org.br/

先住民宣教師評議会(CIMI)のレポートをみると、その人権侵害の酷さに吐き気がするほどだ。
重要なことは、これらが日本にいたり、ヨーロッパにいたり、タイにいたりする人々の食生活と関連しているということだ。

「(2019年の)火事は犯罪的な土地取得計画の根本的な部分です。森林の広大な領域の「開墾」は、例えば、耕作の実施を可能にするために行われる。つまり、この連鎖は次のように動いている。侵入者は森林を伐採し、木材を売り、森林に火を放ち、牧草地にし、その地域をフェンスで囲み、最後にそのエリアに牛を配置して刈り取り、その後、大豆やトウモロコシを植える。」

先住民に対する殺人や暴力は、これらの土地利用に基づいて行われるとしている。「所持侵入、資源の不法搾取、物的損害」の先住民の被害は、2018年には109件、2019年には256件と倍以上増加している。

さらに、先住民の人々に対する暴力として、権力の乱用(13)、死の脅威(33); さまざまな脅威(34); 殺人(113); 過失致死罪(20); 意図的な人身傷害(13); 人種差別と民族文化的差別(16); 暗殺未遂(24); および性的暴力(10); 2019年の先住民族に対する暴力事件は合計276件で、2018年の110件から2倍以上に増加。このような人々に対する暴力の原因となるのもやはり土地や資源の収奪だ。

「領土紛争」は2018年11件から2019年が35件、「死の脅威」は8件から33件、「意図的な身体的傷害」は5件から13件、「援助不足による死亡」は11件から31件など2019年は急増した。2020年の火災の被害が2019年より悪化し拡大したことを考えると、この数字は悪化する可能性がある。さらに政府は先住民の財産の多くを認めようとせず、彼らの居住エリアを侵害し、天然資源を略奪するなどが放置されているという。

ここで重要なことを思い出してもらいたい、

世界で生産される大豆の74%以上が鶏や豚を中心とした畜産動物の餌になることを・・・

自殺が増え続けている

日本でも自殺が増加していると今年は話題になるが、先住民の自殺も問題になっている。

2019年には全国で133人の自殺が報告された。2018年に登録されたケースより32人多いという。

自分たちが大切にしていた土地に火がつけられ、土地が収奪され、自分たちの権利を奪われ、理不尽な政府の対応に失望し、解決の道もない。そんな状況なのだ。

どの地域でも同じような問題が起きる

遠くから原料(この場合は豚や鶏のエサ)を持ってくるということは、その土地を不当に収奪している可能性が高い。そしてそこでは人々も苦しんでいる可能性が高い。もうずっと、そうだった。歴史が証明している。持続可能な調達と企業が謳ったとしても、認証マークが有るよと言われたところで、市民はそれを鵜呑みにするべきではない。それほどにたくさん取り返しのつかない誤りを犯してきたのだ。企業だけが悪いのではなく、監視したり自分たちの消費を見直さなかった消費者の責任でもある。知らなかったからで済まされる問題ではない。

豚や鶏に食べさせている濃厚飼料の日本の自給率は13%に過ぎない。動物の肉や卵の量の4倍以上の量の資料を輸入しており、さらにブラジルやタイや欧米から鶏肉や豚肉を大いに輸入している。これらの元をたどっていけば、上述した苦しむ人たちにつながっていくし、直接つながらなくとも、全世界で肉と飼料の需要を減らさなければ次なる土地が収奪されるだけなのだ。

今年の7月にモザンビークで日本とブラジルとモザンビークが計画していたプロサバンナ事業が中止になったという。この計画は、ブラジルで今批判の的になっているセラード開発を再度モザンビークでやろうというもので、日本の農地の3番の面積の農地をモザンビークに開発して大豆などを作ろうというものであった。この計画の背後に見えるものは、当然畜産である。なぜ何らそんなにたくさんの穀物や大豆を、人間自身は必要としていないからだ。

この計画はモザンビーク、ブラジル、日本のNGOの反対により中止されたそうだ。しかし今後も日本やブラジル政府はどこかで同じことを目論むのであろう。農地はどんどん疲弊して使えなくなっていくことが予測されている中、どこかで飼料を確保しなければ畜産はできないのだ。

どうしたらこの悪循環が止まるのか。

簡単なことだ。肉や卵の需要をなくせば、今すぐにでも止まる。

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1 コメント

  1. 谷川 美華 2020/10/11

    私はアニマルライツさんの思想に賛成派ですが、寄付は具体的にはどのような事に使われていますか?また、動画はよく観ますが、具体的にどんな活動をされていますか?例えば畜産の反対運動として、各国の法律を変換すべく、具体的なアクションはどのようにされているのかを教えてください。消費者として買わないだけでなく、他にできることがあれば個人としてもアクションを起こしたいと思うからです。

    返信

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