地球にとって重要な地域であるアマゾンを含めた南米の自然を、畜産業によって大規模に破壊されてきたが、ここ数年、もう後戻りができないという地点=ティッピングポイントを超えたのではないかと思わせる調査結果が出てくるようになった。
アマゾン地域には推定1,230 億トンの炭素が蓄えられている*4と言われており、温室効果ガスの排出を抑え気候危機の進みを抑えるためにはこの地域の破壊が進まないことが重要だ。そんなアマゾンの森林の20~25%が失われると、アマゾンの大部分が滅びていくと予測されている*1。
「卵ならいいのではないか」「牛肉をやめて鶏肉にした」などと言いつづけていられないデータを見てみよう。サステナビリティやSDGs、エシカルと騒いでいても、着実に持続可能な社会が遠ざかっていることが実感できること間違いなしだ。
その他にも自然発火による火事が増加し始めていることや、森林破壊を人為的に行わなかったエリアでの森林の劣化が進んでいることなど、様々な変化が報告されている。
牛肉のために森林破壊がされるだけでなく、それを高く転売し、日本を含む世界中の工場に閉じ込められている鶏や豚たちに与える飼料を作る。この構造を理解しなければ、南米での加速する気候変動にストップをかけることはできないだろう。
*1 https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.aat2340
*2 https://www.nature.com/articles/s41586-022-05690-1
*3 https://www.nature.com/articles/s41558-022-01287-8
*4 https://research.noaa.gov/article/ArtMID/587/ArticleID/2778/Deforestation-warming-flip-part-of-Amazon-forest-from-carbon-sink-to-source
*5 https://mapbiomas-br-site.s3.amazonaws.com/FactSheet_Regional_M.pdf https://stand.earth/resources/amazonia-against-the-clock/ 日本語の解説記事https://rief-jp.org/ct12/131074
*6 https://www.nature.com/articles/s41586-021-03629-6
*7 https://www.science.org/doi/full/10.1126/science.abp8622
*8 https://www.newscientist.com/article/2336521-the-amazon-rainforest-has-already-reached-a-crucial-tipping-point/
*9 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/fwb.13675 https://news.mongabay.com/2023/02/climate-change-makes-its-presence-felt-in-the-amazons-shrinking-fish/
*10 https://www.nature.com/articles/s43247-022-00528-0