2013年にアニマルライツセンターは国内食肉大手5社:日本ハム、プリマハム、伊藤ハム、スターゼン、丸大食品に対し、妊娠ストールでの飼育を廃止してほしいという署名を行い、同年集まった署名を提出しました。あれから10年、5社全てが妊娠ストール廃止に向けた姿勢を明確にしました。
最初に態度を明らかにしたのはプリマハムでした。2020年、今後新たに妊娠ストール豚舎は建設しないことを明確にしました。
その後、2021年11月、日本ハムが2030年までに国内農場の妊娠ストールをすべて群れでの飼育に切り替えることを公表。この日本ハムの移行期限を決めた発表は消費者団体なども含め高い評価を得ています。
その後2022年にはスターゼンがアニマルウェルフェアをマテリアリティの一つに指定し養豚舎の妊娠ストールフリー化を段階的に進めることを公表、伊藤ハム米久ホールディングスが妊豚舎を新築・改築する場合は妊娠ストール方式を廃止することを公表しました。
そして今月、丸大食品はアニマルウェルフェアについてのページをWEBサイトに追加し、「施設や設備等の新設及び改築の際には、豚の妊娠ストールを廃止すべく、検討を進め」ることを公表しました。
まだ日本ハム以外の4社はいつまでに妊娠ストールからの切り替えが終了するのか発表されていません。移行期限の目標を示すことは絶対的に必要なことであり、移行期限がないとこれらの企業から豚肉を調達しようとする企業にとっても、アニマルウェルフェア対応が難しくなります。
しかし、10年前、日本国内では1社も妊娠ストール廃止を是としていなかった時代から、大きく変化したことは間違いがありません。豚を拘束する飼育は日本ではもう拒絶されるべき飼育方法になったのです。
私たち日本に住む人達の多くは、これら5社の名前は同じように馴染みがあるでしょう。しかしそれぞれ規模や特徴、ビジネスの方向性は異なっています。日本ハムが自社で生産から流通までを手掛ける一方、丸大食品の中心は豚の仕入れと流通にあります。そのため、丸大食品がアニマルウェルフェアに言及するときに欠かせないことは、仕入れる(調達する)豚肉のアニマルウェルフェアです。
WEBサイト上では以下のように言及しています。
丸大食品グループの原料(豚肉等)の仕入れ先は国内外を問わず、多数のサプライチェーンから原料調達を行っております。それぞれの国の法令を遵守して肥育した家畜(豚肉等)を仕入れており、またその仕入れ先の選定に関しては、母豚のグループ飼育への移行を含めたアニマルウェルフェアを実施している、あるいはその考え方に賛同する国、サプライヤーからの調達が大半を占めております。
多少曖昧さは残るものの、仕入れの際の一つの基準に妊娠ストールフリーへの移行が含まれていることはわかります。
拘束飼育から離れるというのが大手食肉企業の姿勢として明確になっています。しかしこれらは自社の養豚場、または自社契約の養豚場についてです。取り残されていくのは、これら上場しているような大手企業ではない養豚場です。もちろん、家族経営の小さな養豚場も取り残されていきます。3590戸もの養豚場がある中、一般の養豚場が妊娠ストールフリーへの移行を検討しているというケースは数えるほどしか把握できていません。
求められるのは、豚肉を購入するすべての食品関連企業、お店、そして個人の意識変革、行動変革です。
欧米、ブラジルは2025年までに多くの主要食肉企業が妊娠ストールフリーへ移行しようとしています。タイソン・フーズが仕入れる中国産の豚肉の50%はすでに妊娠ストールフリーであると公表されており、進んでいることがわかります。実際に巨大養豚場が妊娠ストールフリーになっています。日本でも2030年には、これらの国々から妊娠ストールフリーの豚肉が市場を占め、かつ最大手の日本ハムを始め国内でも妊娠ストールフリーの豚肉はごく一般的なものになっているでしょう。2030年までまだ6年半あります。3000件近い国内の一般養豚場でも妊娠ストールフリーへ移行させるため、豚肉を購入するすべての食品関連企業、お店が2030年までに妊娠ストールフリーの豚肉のみを仕入れることを明言する必要があるのです。
毛皮も知ることで反対する人が多くなった。どんどん家畜動物の現状をみんなに知ってほしい。
私も嫌な顔されるけど、暇さえあればみんなに言ってます。そういう私も、北海道で養豚場のトラックの事故があった記事を見てから、アニマルウェアフェアやブロイラーという言葉を知りました。家畜動物の生涯を考えただけで気が狂いそうてす。いつか犬猫殺処分のcmのように、家畜の現状もacジャパンの広告が出て多くの人が知りますように…活動を応援してます。←ACの真似(笑)