2018年7月6日、再度衆議院厚生労働委員会で、立憲民主党の初鹿明博議員が豚のと畜場での飲水設備の設置を求めた。
採卵鶏(廃鶏)の夜間放置についての視察と同じ日に、豚のと畜場の様子も視察してくださった初鹿議員は、夜は鳴かない(鶏は夜鳴くことは捕食者に自身の存在を知らせてしまうため静かにせざるを得ない)鶏よりも、大きな声で叫び続ける豚たちの様子に衝撃を受けたようだった。
現地に行くとすごいですね、豚の鳴き声がすごいんですよ。ぶーぶーって、豚はぶーぶーって鳴くのかなって思ったら、ぶーぶーじゃなくて、もうゴーゴーっていうか、恐竜が吠えてるんじゃないかっていうぐらいに響き渡っていて、柵に当たるガンガンっていう音もすごいんですね。
で、どういうことかというと、この写真見てください。この檻の中にギュウギュウなんですよ。もう詰まっているわけですよ。動けないように。これ、夜の3時位ですからね、たぶん(前日の)5時ぐらいには連れてこられて、8時間とか9時間ね、このギュウギュウの状態ですよ。中にはこれ上に乗っかちゃってる。
皆さんね、大臣ね、出張に行って出張に行ったところのホテルでね、横ぎゅうぎゅう詰めのところに8時間寝なさいって言われたら、どう思います?そりゃ寝れないですよね。
つまり、寝れない、寝てないから喧嘩になって、ぶーぶーぶーぶー言っちゃってるっていう、そういう状態なんですよ。やっぱりこれは好ましいことじゃないと思うんですよね。で、せめて、夜にこうしなければいけないというんだったら、檻の中半分にするとか、やり方はあると思うんですよ。(2018年7月6日質問より抜粋)
改善の求めに対して、厚生労働省は、”動物福祉は動物愛護法だから、、、”という6月の答弁を繰り返した。
日本の動物愛護法は、殺される最期の日に断水して豚たちを苦しめることを、良しとしているのだろうか。
豚の習性を無視して、水を長時間飲ませないことを良しとしているのだろうか。
そんなことはない。基本原則の中に「何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。」と書かれている。これは殺される前夜だったとしても、当然適応される。頭数が多い集団だからといって適応されないものでものでもない。すべての動物が、それぞれ苦しんでいるのだから。
そして、初鹿議員が指摘したとおり、「起こっている現場は厚労省の所管であると畜場」だ。改善に取り組むのは、環境省ではなく、厚生労働省であり、農林水産省であり、そしてそれぞれのと畜場や農場だ。
農林水産省は国際基準であるOIE規約は守りたいと思っているはずだ。日本の畜産物のレベルの低さを肯定したくないはずだからだ。厚生労働省だって、守らなくていいとは思ってはいないだろう。
なぜ改善しないのか。
なぜ、最低限の配慮すらも、否定するのか。
※以下から厚生労働委員会の動画を見ることができます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48340&media_type=fp
■環境政策に関する意見・提案、問合せ窓口に、屠殺場で牛や豚が長時間水が飲めない状態を改善してほしいと伝えてください。
※分野は「7.自然環境・自然公園」です。
https://www.env.go.jp/moemail/
■厚生労働省に、屠殺場で牛や豚が長時間水が飲めない状態を改善してくださいと伝えてください。
https://www.mhlw.go.jp/form/pub/mhlw01/getmail
■農林水産省に、屠殺場で牛や豚が長時間水が飲めないため、前日に動物を搬入しないように伝えてください。
https://www.contactus.maff.go.jp/voice/sogo.html
■豚肉・牛肉の消費量を減らしてください。あなたが支払うお金は、動物の福祉には使われておらず、動物を苦しめる産業に使われています。
夏場、豚たちはこの状態で運ばれてくる。
夜の間ずっとこの状態。
12時に行っても、2時に行ってもその後ずーっと、一晩中この状態だった。
仲間の皮膚についたシャワーを舐め取る豚。この豚は母豚であるため、妊娠ストールで拘束されており異常行動を起こしていたためか、口の周りには白い泡が溜まっている。
彼らが最後に飲む水は、糞尿を洗い落とすためのシャワーの水。それを床から舐め取る。しかし、その水は糞まみれだ。
(アニマルライツセンターが聞き取って起こした仮のものであり、正式なものが出されたら差し替えます)
(中略)現地に行くとすごいですね、豚の鳴き声がすごいんですよ。ぶーぶーって、豚はぶーぶーって鳴くのかなって思ったら、ぶーぶーじゃなくて、もうゴーゴーっていうか、恐竜が吠えてるんじゃないかっていうぐらいに響き渡っていて、柵に当たるガンガンっていう音もすごいんですね。
で、どういうことかというと、この写真見てください。この檻の中にギュウギュウなんですよ。もう詰まっているわけですよ。動けないように。これ、夜の3時位ですからね、たぶん(前日の)5時ぐらいには連れてこられて、8時間とか9時間ね、このギュウギュウの状態ですよ。中にはこれ上に乗っかちゃってる。
皆さんね、大臣ね、出張に行って出張に行ったところのホテルでね、横ぎゅうぎゅう詰めのところに8時間寝なさいって言われたら、どう思います?そりゃ寝れないですよね。
つまり、寝れない、寝てないから喧嘩になって、ぶーぶーぶーぶー言っちゃってるっていう、そういう状態なんですよ。やっぱりこれは好ましいことじゃないと思うんですよね。で、せめて、夜にこうしなければいけないというんだったら、檻の中半分にするとか、やり方はあると思うんですよ。
で、そもそもこの前の質疑のときにも指摘しましたが、豚のと畜場は飲用水の設備がなくて86.4%(のと畜場)が水が飲めない状態なわけですね。これ3時だから、たとえば5時に連れてこられていたとしたら、まぁ8時間くらい水が飲めない状態でギュウギュウ詰めでいたら、そりゃぁ、暴れますよね。この事を考えてもですね、やっぱり夜間に豚を長時間放置しておくというのもね、やっぱり良くないんじゃないかと思うんですよ。で、この前の答弁で「食品衛生の観点からは飲用水の設備は必ずしも必要がない。対米輸出の食肉を取り扱うところにはそれがあるんだ」というお答えでしたけれども、そうだとしてもですね、水が飲めない状態で長い間置いておくのはやっぱり好ましいことじゃないと、私は思います。そして当然、トイレはするわけですよね。糞尿はこの中でギュウギュウ詰めのところでしているわけだから、上にかかったりとかいろいろなってると。そういう事を考えても、衛生的なことでも、やっぱり長い間こういう状態に置くのはよろしくないと思いますので、この豚についても夜間、長時間放置をするということにならないように、ぜひ工夫をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(中略)今豚についてのお尋ねでございましたが、厚生労働省が所管いたしますと畜場法におきましては、食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保のために、公衆衛生の見地から必要な規制その他の処置を講ずることとされているところでございます。このため、獣畜でございましても、動物福祉という観点からの措置につきましてはやはり動物愛護管理法を踏まえながら対応するということが基本的な姿勢ということと考えているところでございます。
動物愛護法がありますからね、それは環境省の所管だということが言いたいのかもしれませんけれども、そうはいっても起こっている現場は厚労省の所管であると畜場であるわけですから、やはりそこは無責任なことを言わないで、きちんと対応をするようにぜひしていただきたいということを、改めてお願いをさせていただきます。