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西日本の養豚場で起きた餓死事件、検察に起訴を求める

2019年、ある養豚場の全ての豚が飢えで苦しみ、子豚が無計画に繁殖し、大人の豚に踏み潰された、いわゆる養豚場の飼育崩壊が起こりました。アニマルライツセンターはこの事業者を告発、しかし検察は2022年1月31日に起訴猶予処分としました。この処分を不服と感じ、私たちは検察審査会に申し立てを行ったところです。

養豚場で起きていたこと

まず、動画を見る必要があります。なぜなら、養豚を知っている人ほど、言葉で説明をしても信じられないと言うからです。

2019年に撮影された動画では、生きた豚35頭と、オリの中に放置された豚の死体21頭が確認できます。

豚たちは痩せこけており、毛がバサバサになり、背骨やその他の骨が浮いている豚が多数見られます。豚舎に入って撮影をしたのは従業員ではありません。そのため豚たちにとっては見慣れない人です。通常見慣れない人が来ると豚たちはオリの隅に逃げ、そのうちに好奇心の強い豚が花を寄せてきます。しかしこの豚舎では、入った途端に豚たちがオリに足をかけて立ち上がり、撮影者に向かって鼻を寄せ泣き叫びます。それだけ切羽詰まっているのです。

餌はなく、水も与えられていません。あるオリの地面は完全に乾ききっており尿をした形跡も見られません。生きた豚がいるオリの中にも死体が転がっています。豚だったのではないかと思われる物体も転がっています。一つのオリに日齢が明らかに異なる豚が収容されています。

養豚場の中で生き残っていた35頭の豚のうち、13頭は生まれたばかりの新生子豚であり、この子豚たちは肥育用のオリに入れられていた豚が勝手に(無計画に)交配してしまい勝手に生んだものです。あるオリでは、そのオリの中にはオスメス混合で大人の豚が3頭おり、生きた子豚9~11頭は大人に踏まれまいと逃げ惑っていました。別のオリでも3頭の大人の豚がおり、オリの端っこに8頭の新生子豚がかたまっており、さらにその周囲に2頭の死体がありました。

経緯と問題点

私達はこの養豚場の情報を2021年春に得ました。そして同年9月に告発しその後受理、しかし2022年1月31日に起訴猶予で不起訴処分になりました。

この養豚場は現在の養豚として許容されるということでしょうか。違法ではあっても起訴するほどではない、つまり許される程度だということなのでしょうか。

それが今の日本の畜産なのでしょうか。それが一般の人々の社会通念なのでしょうか。

これが容認されることは正しく事業を行う養豚業者にとっても良くないことなのではないでしょうか。

私達が考える問題点は以下のものです。

  • 豚たちが無用に長期間苦しめられた末に死亡した
  • 餓死の苦しみは一瞬で死ぬ他の苦しみ方と比にならない長期に渡る苦しみ
  • この苦しみは、通常の養豚業の取り扱いでは考えにくい
  • 警察はこの事実について知っていたが相談内容を軽視しして適切な対処をしなかった
  • 行政はこの事実を知り農場に出向くが生産者に立ち入りを拒否されそのまま放置
  • 検察は捜査し違法性を認めているものの、不起訴にした
  • 現時点でもこの養豚場の名前は業界団体のサイトに掲載されている
  • この生産者は別の農場で養豚に今も関わっている
  • この農場に現在は生きた豚はいないが廃業はしていない

私たちは日本中の数多くの養豚場を知っており、また情報も十分に得ています。しかしこのような養豚のあり方は見たことも聞いたこともなく、一連の豚たちへの虐待は明確に「みだり」なものです。

通常の畜産業は、最終的に全て動物たちを殺すものです。しかし、この豚たちを食べることは社会的に容認されていることであり動物愛護法の虐待にあたらないことは明白です。

しかし適切に屠殺して食べることと、この豚たちをネグレクト虐待をしたり不適切な状態で飼育して衰弱させたり殺すこととは全く異なります。後者は社会通念上も認められていることではありません。

実は同じように明らかに「みだりな虐待」である行為がいくつも、不起訴処分になっています。対象が畜産動物であったことが大きな理由であると私たちは考えざるを得ません。

この検察審査会に申し立てと同時に、署名を開始しました。ご協力ください。

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