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東京五輪、低いアニマルウェルフェアで満足か

2019年3月12日、参議院農林水産委員会で小川勝也議員(北海道)が東京オリンピック・パラリンピックの食材調達におけるアニマルウェルフェア、および有機畜産について質問を行いました。

東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準には、「アニマルウェルフェア」の文字は入っていますが、その全ては「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」のチェックを行うこととするのみであり、中身のない、または国際的なニーズに全く沿わない内容になっています。しかし、農林水産省は

昨年内閣官房東京オリンピックパラリンピック推進本部事務局と農林水産省が実施いたしました食材供給意向調査ではアニマルウェルフェア含めまして調達基準を満たす食材は十分に調達できるというふうに考えてございます。

と、まるでアニマルウェルフェアが達成されるかのように述べています。しかし、この調達基準のアニマルウェルフェアは、言葉だけのアニマルウェルフェア、中身がないのです。言葉だけのアニマルウェルフェアで良しとする姿勢は、まるで詐欺のように見えるのです。

また有機畜産物についても、とくにアスリートのニーズは有ると考えられますが、今回の答弁の中でも国内で賄うことはほぼ難しいであろうことが示唆されています。有機飼料を手に入れることが難しいことなどを理由としていますが、そもそも有機畜産は放牧が基本となっており、この部分も日本の畜産業にとっては高い高いハードルであろうことは間違いないでしょう。

進歩しない日本のアニマルウェルフェア、消費者の知識がなく、生産者、企業がどんな状態で動物を扱っているのか、問い詰めていかないから起きています。日本の畜産動物の扱いは最低であり、また動物を適正に扱い虐待してはならないのだという認識も殆どないのです。スーパーやレストランにアニマルウェルフェアに配慮した環境(放牧や拘束飼育しないものなど)の畜産物だけを扱ってほしいと意見をして下さい。一人ひとりの意見、行動が、動物たちの苦しみを減らすことに繋がります。

議事録(アニマルライツセンターが書き起こした仮のものであり、正式なものが出されたら差し替えます)

●小川勝也議員

東京オリンピック・パラリンピックの食材の調達であります。このテーマも何回も何回もこの場で議論させていただいてきました。どうも進捗が進んでいるというふうにはなかなか思えないわけであります。

いくつかの質問があるわけでありますが、ひとつは、有機畜産、オーガニック畜肉、それからアニマルウェルフェアに配慮した肉製品、これの調達について日本は著しく困難な場所であるというふうに指摘をさせていただいてまいりました。

海外から訪れるアスリート関係者がそういった食材を求めるのは必須であります。

農林水産省として、どこまで対応対策が進んでいるのか、報告をいただきたいと思います。

●枝元生産局長

お答え申し上げます。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の農畜産物の調達基準におきましては、農畜産物の生産にあたりまして食品安全環境保全労働安全の確保が要件となっておりまして、これらの要件を満たす方法として畜産物でGAP認証取得、およびギャップ取得チャレンジシステムの取り組みが明示されてございまして、アニマルウェルフェアにつきましてはこのGAPの認証もしくはギャップ取得チャレンジシステム、これでアニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置を講じられているというふうにされてございます。

あと、有機農法に付きましては、この要件を満たした上で有機畜産により生産された畜産物が推奨される事項というふうになってございます。

まず、アニマルウェルフェアの方でございますけど、2020年の食材の調達に向けましても日本版畜産GAPの指導員の育成ですとか、生産者によります日本版畜産GAP認証取得、チャレンジシステムの普及、これらについて支援してございまして、現在まだ必要な食材の量とか品目決まっておりませんので、正確な見通しは示せませんけれども、昨年内閣官房東京オリンピックパラリンピック推進本部事務局と農林水産省が実施いたしました食材供給意向調査ではアニマルウェルフェア含めまして調達基準を満たす食材は十分に調達できるというふうに考えてございます。

他方、有機農法でございますけれども、この食材供給の意向調査におきまして有機により生産された食材についても供給意向が示されて、この情報については大会組織委員会通じまして飲食提携事業者に提供はしてございます。

しかしながら有機畜産につきましては、輸入飼料に依存している中でなかなか有機資料を安定的に確保できない、あと有機飼料生産技術の問題、あと一定期間有機畜産で定める方法で飼養しないといけない等ございまして、まだ有機JAS取得事業者は14事業者にとどまっておりますし、現状においてはこれを急速に拡大させるというのは非常に難しい面があると考えてございます。

平成31年度〇〇におきまして、国産有機畜産の技術課題の抽出ですとか、対応方向への検討の取り組み等々の支援策も予算計上しているところでございまして、トウキョウオリンピック・パラリンピックを一つの契機として、有機飼料また有機畜産物の生産が拡大されるよう努めてまいりたいと存じます。

●小川勝也議員

またゆっくり聞きますけれども、今局長から正直なご答弁がありました。有機畜産物は有機栽培で生産された餌を与えるというのが基本でありますので、日本にはその概念が殆どありません。それから、アニマルウェルフェアにつきましては、後進国そのものであります、私達の国は。ですから、この2020年オリンピック・パラリンピックを目指してなんとかこの私達の後進国もちょっとでも前進することができないだろうかと思って頑張ってきておりますけれども、道半ばであります。

途中でいわゆる基準を変えるわけには参らないと思いますけれども、より高みを目指すという目標をしっかり抱えながら、最低限のノルマを果たしていくということで考えていただければというふうに思います。

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