2016年10月17日から21日にかけてローマで行われた世界の食料安全保障に関する国連食糧農業機関(FAO)委員会後に発表された畜産の役割を含んだ食糧危機と栄養のための持続可能な農業開発の提案勧告の中に、畜産動物のアニマルウェルフェアが含まれました。
参照:43回委員会 CFS 43 17-21 October 2016, FAO, Rome, Italy
a) 特定の家畜生産システムに適合した、獣医療および普及サービス、ワクチン接種、抗菌剤(抗生物質)を含む医薬品へのアクセスを可能にする
b) 特に感染症、人畜共通感染症に焦点を当て、OIEの基準に従うことによって、環境ハザードへの曝露を減らすこと、およびワンヘルス、バイオセーフティとバイオセキュリティを含む動物の健康管理を改善する
c) General Assembly Political Declaration on AMR(薬剤耐性における政治宣言国連総会(2016年9月21日)、the WHO Global Action Plan on AMR(WHO薬剤耐性におけるグローバルアクションプラン)、FAO Resolution 4/2015、およびOIE、コーデックス国際食品規格委員会とWHOのガイドラインや基準により、FAO、OIE、WHOが共同して取り組むワンヘルスを尊重し、農業における抗菌剤の慎重かつ責任ある使用を推進し、リスク分析がない中で動物の成長促進のための抗生物質の使用を段階的に廃止することを含め、不必要な使用を防止する
d) 能力開発プログラムを含めて、動物福祉を向上させるために畜産部門で自主的な行動を支持し、「5つの自由」と関連するOIE基準や原則を実現する動物福祉を向上させる
e) 良質な飼料へのアクセスを推進し、持続可能な給餌の実行に関する研修を促進する
抗生物質による薬剤耐性の問題が重点的に書かれているが、その使用を減らし、薬剤耐性による今後のリスク(死者数1000万人/年(2050年予測))を少しでも軽減するためには、動物を苦しめない飼育が必要です。
5つの自由、つまり、動物の自然な行動を妨げないということを含んだいわゆる牧歌的な飼育を推進することが、国連によって推進されるのです。日本の畜産システムは大きな変革を迫られています。
ストレスがなくさらに運動や日光浴で健康を保つ自然な飼育でこそ、持続可能な農業開発が実現されます。工場畜産と自然な畜産を見比べて、工場畜産の中に置かれた動物のほうがストレスなく健康だと感じる人はいないでしょう。
直感的に良くないものは、やはり良くないのだと証明されてきたのです。