米国、カナダ、英国に431のスーパーマーケットを展開する(2015年9月の時点)ホールフーズマーケット。
このホールフーズマーケットのアニマルウェルフェア食品について、アメリカからレポートをいただきました。
(2016年12月 現地レポート:さかもとよしこ)
オーガニックや健康志向のスーパーマーケットとして日本でも知られるようになってきたアメリカのホールフーズマーケット。
食肉用の家畜動物に対してもケージフリー卵や、家畜へのアニマルウェルフェアに5段階のステップを設けるなどでも知られていますが、詳しく見てみると、家畜動物の飼育環境への配慮にさまざまな基準を設定してくれていることがわかりました。
まず、家畜の飼育に関する5段階のステップは以下のようになっています。
このステップはグローバルアニマル・パートナーシップによる「アニマルウェルフェアの5段階のステップ」を採用したもので、そのお肉がアニマルウェルフェアのどの段階で飼育されていた家畜からとられたものなのかわかるようになっています。
一番下のステップ1の豚肉。
ステップ1の条件は、ケージや檻の使用したり詰め込み飼育をしていないこと。ホールフーズにはこれ以下の商品は置いていない。
ステップ2の鳥肉
ステップ3の鶏肉
さらに、ホールフーズマーケットは、「スタンダードを超えるスタンダード」、「他では見ることのできない基本条件」として、ホールフーズが提供する食肉用の家畜、家禽の飼育環境に以下のベーシックな基準を設定しています。
USDA(アメリカ合衆国農務省)で肉牛と子羊に限り使用を許可されているホルモン剤の投与や、家畜の筋肉成長促進のために使われるベータ・アゴニストも含むとしています。
ホールフーズでは2002年に食肉用の家畜、家禽の飼育環境に対する条件をさらに厳しくし、病気や感染の治療を目的とした使用に関しても禁止したとしています。
一方で、家畜が怪我や病気にかかった場合は適切に治療を施さねばならず、抗生物質の使用などもやむをえない場合もあるが、その場合、その家畜の肉はホールフーズの市場に出すことはできないとしています。
フェザーミール、肉骨粉、動物油脂など、屠殺時に生じた食用にならない部分や死亡した家畜を加工(レンダリング)した畜産副産物を餌などへ使用しない。
その中には繁殖用豚の檻や妊娠ストール、仔牛肉(ヴィール)の檻なども含まれている。
以上のような基本条件があるため、ホールフーズに並んでいるお肉は全て自動的に5段階のうちのステップ1をクリアしていることになります。
さらにホールフーズでは、家畜の一生は牧場だけではないとして、屠殺場でのプロセスにも第三者による監査を要求しています。
餌や飼育環境だけでなく、家畜が一生を終える最後の場所である屠殺にまで言及しているのを見て、わたしはホールフーズマーケットが、時代の流れや消費者の要求だから仕方なくではなく、自分たちの行動がよい変化をうむことにつながるという明確な意識を持って取り組んでいることがわかりました。
日本にもこういうスーパーがあれば、消費行動(自分のお金を出して購入するという行為そのもの)について、もっと意識を向けてくれる消費者が増えるのではと思います。
(ポンド=0.453592kgで換算)
ビーフシチュー用ビーフ
2.6ドル/100g (11.99ドル/ポンド)
ステーキ用ビーフ
6.1ドル/100g(27.99ドル/ポンド)
オーガニックビーフ
3.9ドル/100g(17.99ドル/ポンド)
ステップ2
0.9ドル/100g(4.49ドル/ポンド)
ステップ3+オーガニック
1ドル/100g(4.99ドル/ポンド)
卵
この卵は12個入りで$3.19。
『大切な卵の味をまもるため、全ての卵の品質基準を保証できるよう家族経営の農家から仕入れています。 最高の卵は健康な鶏から。卵を提供してくれる雌鳥はすべて平飼い飼育です。餌は自然に育てられた穀物で、抗生物質や動物性副産物を与えられることはありません。朝の食卓からクッキーバターまで、いちばんシンプルで純粋なわたしたちの卵です。』
と書かれています。