2017年2月16日、豚の妊娠ストールの問題を中心に畜産動物の福祉(アニマルウェルフェア)について、パルシステム生活協同組合連合会と意見交換をさせていただきました。
パルシステムは、これまで、ウェルフェアチャレンジ豚(2009年)、平飼い卵のCM(2014年)などアニマルウェルフェアに率先して取り組んできている生協連合会です。
アニマルウェルフェアの動きが鈍い日本において、130万人もの組合員を持つ大きな生協連合会によるこのような動きはとても心強いものです。しかしながら、パルシステムで使用されている豚肉には、妊娠ストールが使用されているものがあります。
2016年12月、パルシステムに妊娠ストールを使用した豚肉の扱いの廃止を求める要望書を提出し、同時に意見交換をしたい旨を伝えていたところ、意見交換に快く応じて下さいました。
当日はパル・ミート(パルシステムの食肉・加工部門)のご担当者も含め、パルシステムからは3名に同席していただき、こちらからの様々な質問に対して丁寧に答えていただきました。
すでにパルシステムで扱っている豚肉の産地の一部では、妊娠ストールから群れ飼育への切り替えを試みていること、しかし群れ飼育への移行は容易ではないこと、その移行を妨げている要因など、現場の状況を詳しく教えていただきました。またパルシステム組合員のアニマルウェルフェアへの関心がどれくらいあるのかについても、伺いました。
アニマルウェルフェアの重要性を認識しているパルシステムであっても、妊娠ストールの廃止が容易ではない今の日本の状況は、まだまだ厳しいものがあります。
しかしながら一方で、妊娠ストールから群れ飼育への移行が試みられおり、平飼卵も一定の需要があるとのことです。少しずつですが変化は起こっています。
この日は、さまざまな角度から日本のアニマルウェルフェアの問題を見ることができ、私たちNPOが果たすべき役割を再考することができました。
2016年2月に、アニマルライツセンターが国内で行った認知度調査では、「アニマルウェルフェアあるいは動物福祉という言葉を知っていますか」という質問に「はい」と答えたのはたったの4.9%。
この数字を伸ばせるよう、今回の意見交換を活かして、運動に取り組んでいきます。