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経済産業省、アニマルウェルフェアの重要性を認める

2022年4月7日、参議院経済産業委員会で安達きよし議員が日本の経済の課題の一つとしてアニマルウェルフェアを取り上げました。実は経済産業委員会で畜産動物のアニマルウェルフェアが取り上げられたのはこれがはじめて。このことからもわかるのは、日本のアニマルウェルフェアの議論の中ですっぽりと抜けてしまっていた部分が経済、ビジネスの議論だということがわかります。

安達議員は、経済産業委員会でアニマルウェルフェアを取り上げる理由として、”企業価値の創造”と”日本食のブランディング”を挙げました。

ESG投資の文脈や日本の農林水産物食品の輸出を1兆円から5兆円に拡大しようとする政府の目標があるなかで、アニマルウェルフェアにどう取り組むべきなのか、質問をしました。これに対し、萩生田経済産業大臣は

近年SDGsになど持続可能性に配慮した取り組みに対する社会的要請が高まっており、先生ご指摘のアニマルウェルフェアの推進も我が国が取り組むべき重要な課題の一つとしています。経済産業省としてもアニマルウェルフェアの推進は食品メーカー等のグローバルな企業価値の向上、また日本の食品のブランド力の向上を通じたクールジャパンの推進など、幅広く農林水産物食品の輸出拡大を通じた経済効果をもたらす可能性のあるものと認識しています。

と答えています。経済産業省の具体的な取り組みがまだないことは残念なことですが、認識としては正しく、今後の日本の経済の活性のため、または経済を衰退させないためにも、食の素材になる畜産物のアニマルウェルフェアは重要なのです。どんなに素晴らしい取り組みをしていても、どんなに美しい日本食だったとしても、その素材が動物虐待(と海外では受け止められている)から来ているのだとすれば、企業価値もブランドも台無しになってしまうのです。

私たちは企業と話し合いをする中で、私達が説明をする前は多くの企業がアニマルウェルフェアの話をひとつの「社会貢献」の話だと思いこんでいることが多くあります。しかし、説明をはじめて少しすると、アニマルウェルフェアの話がその企業自身のビジネスや戦略、企業の未来の話であることに気が付きます。

今日、経済産業省で質疑が行われたことは、その気づきをもたらす意味を持っているように思います。

アニマルウェルフェアが遅れていることで困るのは、税金で守られている畜産業者ではなく、小売、食品加工、外食などの消費者と直接接点を持つ企業なのです。

アニマルウェルフェアについての質問に立つ安達議員

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