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世界の流れはバタリーケージ廃止へ。

​2012年1月1日、EUが産卵のためのバッテリーケージを禁止という重要な規制が実施に移った。(ただし350羽未満の飼養農家、採卵鶏の繁殖農家は適用除外)
なお、このEUの動きよりも早くに、いくつかの国ではすでに規制が行われていた。

スイス
1991年 バタリーケージの使用を動物福祉法で禁止

スウェーデン
1999年 鳥のくちばしを切断するデバーキングを禁止・採卵鶏用バタリーケージの使用を禁止

フィンランド
2005年 バタリーケージの使用を禁止

ドイツ
2007年 バタリーケージ禁止

EUその他
ベルギー・オーストリア・スウェーデン・オランダでも禁止されている。
その為、もともとEUでのバタリーケージの使用率は60%程度であった。

アメリカ合衆国
バタリーケージの使用率が90%であるが、
カリフォルニア州が2015年1月1日までに、バタリーケージを段階的に廃止する。これは、住民投票で3分の2を獲得し、2009年に成立した。
ミシガン州では、2009年にバタリーケージの廃止が決定され、2019年までに全廃される。
デラウェア州で隣の鶏に触れずに羽根を広げる十分なスペースがないケージを禁止した(2007年に成立し2009年より実行)
ワシントン州では、自由に回転することができ、横たわり、立ち、完全に羽を広げられるスペースを確保する必要がある。2026年までに移行することが2011年5月に議会の承認を得、署名された。
オハイオ州では2022年までに廃止され、今後新たに作られるシステムはバタリーケージであってはならないとされる。
マサチューセッツ州では2016年11月8日にバタリーケージや子牛のクレート飼育、ブタの妊娠ストール飼育の禁止が実現した。
※1

オーストラリア
オーストラリアのタスマニアで、2012年5月17日に2022年までにバタリーケージの段階的廃止することが決定された。その他の地域にもこの動きが広がると考えらている。

ニュージーランド
2022年までに廃止することが決定している。

海外企業のケージフリーの取り組みについてはこちらのサイトを参照してください。
https://goo.gl/tQhgU7

 

規制の理由と日本への影響

EUは動物の福祉と食品の安全性の間には、密接な関係があるという考え方が一般的だ。事実、ひどい扱いを受ける動物より、自然に動けるような環境を与えられた動物のほうがより健康的だ。
過密飼育で、ストレスに苦しんでいる動物は、免疫が弱まり病気になりやすい。食品の安全性、動物福祉、環境保護、そして人間の精神衛生面において、EUは動物福祉の向上に積極的に取り組んでいる。
その考え方の基本になっているのは、5つの自由
-「飢えと渇きからの自由」「痛みとけがと病気からの自由」「恐怖や抑圧からけがと病気からの自由」「恐怖や抑圧からと表現をする自由」-
だ。
この考え方はOIE(国際獣疫事務局)で規定されており、日本をはじめとしたレベルの低い国々の動物福祉をOIEがリードする形となっている。

とはいえ、強制力や実行力がないため、日本などではその動きは非常に限定的であり、日本人自身、動物の福祉や保護という国際的な考え方やその意義を理解している人は非常に少ない。

※1カリフォルニア http://www.leginfo.ca.gov/cgi-bin/calawquery?codesection=hsc ミシガン http://www.legislature.mi.gov/(S(hyeyhu0345k1pcqis0yaehb1))/mileg.aspx?page=getObject&objectName=mcl-287-746 オレゴン http://www.oregonlaws.org/ors/632.840 オハイオ http://codes.ohio.gov/oac/901%3A12-9 ワシントン http://app.leg.wa.gov/rcw/default.aspx?cite=69.25&full=true マサチューセッツ https://ballotpedia.org/Massachusetts_Minimum_Size_Requirements_for_Farm_Animal_Containment,_Question_3_(2016)

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