生まれたての雛の目を通して、彼らのたどる運命を見てみよう。
映像はイスラエルの動物の権利団体による内部調査だ。
しかし、世界中の工場畜産で同じ機械が使われ、同じように扱われている。
もちろん、1億7千万羽の採卵鶏を飼育する日本でも。
本来、卵を産んだ鶏はその自分の卵を揺らし、温めて孵化させ、ヒナは母親から生きるすべを習得するまで一緒に過ごす。
しかし、現在鶏の子どもたちは、一生自分の母親を見ることはない。
機械の中で孵化すると、高速で流れるベルトコンベアーに乗せられ、抗うこともできずに次のレーンに落とされ、雄と雌に分けられてそれぞれの穴の中に落とされる。
メスは餌付場に箱やかごに入れられて移動させられる。その時の不安と恐怖を映すひよこたちの目を、見てほしい。
オスはさらにベルトコンベアーに乗せられ、そこから落ちたら体ごとすり潰す恐ろしい機械の中にあっという間に姿を消す。
文字通り、その姿はすり潰されて無いものになるのだ。
これが卵の生産の始まり。
写真:Animal Equality