ウィンドレス鶏舎のバタリーケージで飼育されていた小春、
両目が見えない、卵を産めない、そんな状態で殺される直前だったところを保護されました。
かなり弱っているように見えたため、保護した方はせめて看取ってあげられたらと、保護をしてくれました。
小春が保護されてすぐにアニマルライツセンターに連絡をもらい、個人宅の1階で、里親に出るまでの約半年間暮らしました。
小さめのお庭と、2LDKをひとりじめ、毎日お外や屋上や隣のおうちの広い庭に散歩に行く日々。
1羽で暮らすことになった小春は、人との濃い関わりを持ち、鶏がどれだけ生命力が強く、かしこく、愛情に溢れ、コミュニケーションが上手で、感情が豊かなのか、そして本来の鶏の習性も含め、私たちに教えてくれた鶏になりました。
頭の良さは犬や猫以上か?と思うことが何度もありました。朝日がのぼる直前に起き始める小春、人が起きる7時になって初めてかぼそく「コーーー(そろそろじゃない?)」といいます。
休日は10時頃まで静かでした。ごはんの支度を始めると玄関で待ちます。途中でお気に入りの寝床を見つけたのですが、そのときは、その場所(うんちが溜まっている場所)を丁寧に案内してくれたこともあります。ボールがベッドの下に入って取れなくなってしまったときも、「取って」と伝わるようにジェスチャーします。
たくさんの種類の声とリズムを使いこなし、彼女が何を言っているか明確にわかります。初めて知ったのですが、のら猫が通りかかった(途中から共存し始めた)ときにあげた悲鳴は、バタリーケージの養鶏場の周囲でよく聞く声でした。
今、小春は里親さんのもとで暮らしています。
家族が増えて「生活がどんどんパーフェクトになる」そんなふうに言ってくださる里親さんに出会いました。
柵の外や裏庭(25㍍プールより広いよ!!!)にも連れ出してもらっています。
でも、小春がもともといた養鶏場の仲間たちは、まだバタリーケージの中で羽や足の骨を折り、カルシウム不足で苦しみ、とさかもへたれて真っ白になり、なにもやることもなく、無残な殺され方をする時をただ待っています。