長野県上高井郡にある「社会福祉法人くりのみ園」がアニマルライツセンター の問い合わせに対し、既に使用している卵が平飼いであること、またケージフリーに賛同してくださると回答いただきました。
こちらは、総合的な農業と、障がいがある方の就労支援を行っている社会福祉法人です。平飼い卵は各スイーツに使用されています。
以下はオーナーの方のお話しです。
当然、始めからケージ飼育はまずいと思っていました。やはり、養鶏はケージ飼育から平飼いに切り替えていくことが大事だと思います。私たちは平飼いを広めて地域に定着させようということをやっていて、具体的には鶏の餌を、完全配合飼料ではなく地域の米や育てた野菜のクズなど地域の色々な飼料を集めて循環させています。卵に限らず、アニマルウェルフェアに即した自然に近い畜産を広めていきたいです。日本は、歴史的に見ても高度経済に入る前は、養鶏は庭先で平飼いでした。それが近代化でどんどん大規模化していき、鳥インフルエンザなど様々な問題で行き詰まっています。鳥インフルエンザは、平飼いだと鶏に免疫力、抵抗力があるのでかかりにくく、ケージ飼育と比べて大打撃を受けにくいのです。
もはや大規模畜産は持続可能ではないものとなってきています。しかし今のこのコロナの状況というのは、ある意味でチャンスと言いますか、多くの人が問題を認識するきっかけになっていると思います。今のコロナやコロナ後、色々変わっていくのではないでしょうか。
とても快くケージフリーに賛同くださいました。
日本の卵の一般的な飼育方法であるケージ飼育では、生産性を重視するため鶏をカゴに詰め込み、過密飼育をします。そのため、運動不足も加え鶏は病気になりやすく、薬剤などを用いて病気の蔓延を防ぎます。
日本の90パーセント以上の農家がケージ飼育です。
ケージ飼育の鶏
一方で、平飼いという、鶏が自由に歩き回れるケージフリーな飼育をとっている養鶏場も日本では少数ですがあります。
平飼いの鶏 (今回紹介したお店が卵を調達している農家ではありません。別の平飼い農家です)
世界ではケージ飼育の廃止が進んでおり、現段階で日本のアニマルウェルフェアはだいぶ遅れを取っています。
ケージの中で搾取され続け、動けないまま一生を終える鶏を減らすために出来る簡単なことは、消費者の皆さんがケージ飼育の卵をやめ、買うとしたら平飼いを選ぶか、鶏のためを思い卵の消費を無くしていくことです。
現状を知った人が、今日から人道的でエシカルな選択をしていくことが、持続可能な未来に繋がります。