世界銀行は、途上国で急増する工場形畜産にブレーキをかけました。過去に世界銀行はこの途上国での大規模畜産プロジェクトに多額の出資をしていたが、「貧しい人々が締め出され、環境が破壊され、世界の食品の安全性と安心さが脅かされる危険がある」と方向転換を図ったのです。
食物連鎖のピラミッドを思い出してください。上位にいけばいくほど、反比例してその生物の数は少なくなります。
食物連鎖の下位に位置する植物を食べる草食動物の群と、その草食動物を食べる肉食動物の姿をテレビなどの映像で見たことが有る人は多いと思います。その草食動物と肉食動物の数の割合を思い出してください。草食動物が圧倒的に多いのです。
つまり、人間も食物連鎖の下位に位置するものを食べることによって、より多くの人を養うことができるのです。
逆に言えば、動物の肉を食べると言うことは、人間の数を減らさなくてはならないと言うことなのです。人間の数を減らすのは容易なことではありません。現状、人口は一日約20万人づつ増えているのですから・・・。
生活水準が上ってくる段階で、人々は動物の肉を食べることを望むようになります。しかし、65億の人々が日本やアメリカのような量の肉を食べ始めたらいったいどうなるのでしょうか。
肉食は非常に非効率的な(人の食料を減らしてしまう)食糧消費なのです。
豚は7kgから肉1kgを作り出します。
しかも、豚の体重の半分以上は、骨や血、内臓など人間が食べることが出来ない部分だ。
牛は11キロカロリー分の穀物をたべて、1キロカロリーを作り出します。つまり、牛肉1キロを作るために、11キロの穀物を必要とします。
(個体差、温度差によってもっと少ないことも多いこともある。牛肉1キロに10~30kgの穀物が消費されている)
これは牛乳も同様で、牛乳を作り出すために飼育されている搾乳牛は、最も穀物消費量が多い。
南米の貧困地域では、飼料用穀物が多く生産されているが、この穀物は農場の近辺に住む人々の手には入らず、遠い日本やヨーロッパの動物の餌になる。日本は多くの飼料用穀物をアメリカから輸入していますが、一部南米などからも輸入している。
日本が26万トンのとうもろこしを輸入質得るアルゼンチンでは、1000万人が飢餓にあえいでいる。
このような貧困問題、ドキュメンタリー映画「ナイルバーチ」で似たような仕組みが取り上げられている。この映画の主題は 魚 であるが、肉でも同じ社会問題が世界の各地で起こっている。
あなたが消費している肉は、世界の貧困問題に直接繋がっている。
鶏は4kgから肉1kgを作り出します。
実は卵も結構多くの穀物を必要とする。
卵1パック(60gの卵10個)を作るためには、穀物1.7kgが必要です。