日本社会はここ数年で変わってきたようです。畜産動物に対する暴力がはじめて起訴され、馬を苦しめるイベントが大きな批判の的となり、アヒルを苦しめるイベントが残酷なものとして認識され、魚の過密な展示方法への問題提起をメディアが取り上げるようになりました。アニマルウェルフェアを考える議員連盟に参加した国会議員は畜産動物のアニマルウェルフェアの重要性を理解し自らの言葉で語っていました。アニマルウェルフェア、アニマルライツという考えは随分と浸透し受け入れられてきたようです。
しかし、つい先日、変わっていないことを目の当たりにしました。動物愛護管理法の改正を議論する犬猫の殺処分ゼロを目指す議員連盟の動物愛護法改正プロジェクトチーム(PT)で、様々な課題が出され、畜産も実験も次こそはというなかで、それらの検討が後回しになりかけたのです。もちろん他の課題も重要ですし、やりやすい問題からやるという考えもあるかもしれませんが、それでも今の法律が全く守らない10億の動物を後回しにするのはあまりにも安易な考えです。
幸い私達からの声を聞き取ってくれて並行しての検討になりましたが、畜産動物は今回の法改正の議論でも差別され「この程度でいいだろう」というようになることが予見されます。畜産動物は数が多く、深く、長く苦しみ、そして社会の持続可能性と経済に与える影響が絶大です。これらの動物を見捨てることは理不尽であり、そして不合理です。
動物愛護管理法が好きな動物だけを守る不平等で法律で有り続ける限り、日本社会は成熟しないでしょう。畜産動物だけずっと世界で最低ランク、犬や猫は守られている、という状態は、日本が差別国家だと宣言をしているようなものです。どうか皆さんの声を貸してください。あなたの地域の国会議員に畜産動物を守ってと声を届けてください。
声を届ける貴重な機会を、動物愛護法改正の議論の中心となる”犬猫の殺処分ゼロを目指す議員連盟”の中に設置された動物愛護法改正プロジェクトチームが設けてくれています。
改正してほしい内容をアンケートで募っています。
ぜひ皆様から、畜産動物たち、その他現状見捨てられてしまっている魚などについて、意見を届けてください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfSMysIWQ-Wia2ZMYdjgRri5c7OPlSeAvkHwll73_3ejnVilA/viewform
アニマルライツセンターからの現時点の要望内容は以下のとおりです。
A 産業動物に関する条項を新設し、以下の項目を加えること、及び以下の内3,4,5に違反した場合は罰則を適用できるようにすること。
② OIE基準に準じて「産業動物の飼養及び保管に関する基準(農林水産省のアニマルウェルフェアに関する飼養管理指針と連携し、屠畜については別途定める)」を改定し、遵守義務とする【決議】
B産業動物関連施設を動物取扱業に加えること
C 動物取扱業の対象種(第10条)を「すべての脊椎動物」とする【附則】
D 罰則の対象となる愛護動物の対象種(第44条第4項)を「すべての脊椎動物」とする【附則】
※その他多数の要望がありますが、それについては後日他団体と共同の要望として掲示します。