2017年8月11日、イングランドで動物福祉のためのCCTV=監視カメラ設置の導入に向けた検討が開始された。
2009年に屠殺場の調査を行ったことをきっかけにCCTVの導入に向けたキャンペーンを行ってきたAnimal Aid(英)によると、この度政府が提示した案が施行されれば、イングランド全ての屠殺場で監視カメラの設置が義務付けられるという。
これまで数多くの屠殺場の調査が、英国の動物権利、または動物福祉団体によって行われてきた。Animal Aidは今年の5月にBritain’s Failing Slaughterhousesという屠殺場の福祉についての報告書をまとめて発表しているが、その中では4000の深刻な動物福祉法違反が判明し、また93%の屠殺場が動物福祉法を破っているとしている。
英国環境大臣は以下のように述べている
私たちは世界で最も高いアニマルウェルフェア基準を設けています。今日私が取り組んでいる動きは、世界的なリーダーとして私たちの地位を強化するものです。
We have some of the highest animal welfare standards in the world and the actions I am setting out today will reinforce our status as a global leader.
EU離脱など国の力が今後どうなるのか危ういなどとも言われるが、英国はアニマルウェルフェアをリードする国としてさらに強化され、おそらく、品質の高さを売りにする暴力の少ない住みやすい国になっていくのかもしれない。当然EUやその他の地域でも同じ動き(イスラエル/フランス)があり、各国がさらにアニマルウェルフェアへの取り組みを競い合いながら高めていくことだろう。
2017年11月、報告書が英国政府から出され、確実となりました。
これまでイスラエルですでに導入されていますが、その内容を遥かに上回っているようです。イスラエルの場合、1日に数秒間監視されるというもので、暴力の抑止効果を強く狙ったもののようだが、英国は完璧に暴力を摘発することを目的としていると思われる。
2018年以降、英国の屠殺場の暴力的扱いの改善が飛躍的に進むことは間違いがないだろう。
詳細は下記から
https://www.gov.uk/government/consultations/animal-welfare-cctv-in-slaughterhouses
https://www.gov.uk/government/news/cctv-to-be-introduced-in-all-slaughterhouses-in-england-in-2018
CCTVの運用は動物福祉の教育のなされた人によって適切に監視と摘発、改善が求められるため、今の日本の限られたリソースや意識の低さでは到底不可能なことかもしれない。
しかし、まずは現実を調査し、公開しなければ、問題点すら把握できない。
日本でも一刻も早く議論が始まり、動物福祉のための監視がなされるようにならなくてはならない。